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2008年2月29日 (金)

高知県での学徒動員の記録 【高知市の高知高等学校 その三】 愛媛県新居浜の住友化学の工場に動員されました。

 高知高等学校の学生たちは、県外の工場に動員され始めました。 
 一九四四年(昭和十九年)六月、二学年理科乙一、二組は、愛媛県新居浜の住友化学の工場に動員されました。
 壮行会が十日に開かれ、十二日に高知を出発しました。
 八月、二学年文科一類も新居浜の住友化学に動員されました。
 出発は十四日でした。
 三浦朱門さん、大野久男さん、大森薫さん、阪田寛夫さん、立石敬三郎さんも一緒でした。海辺の工員住宅に寝泊りしました。一軒三間の規格型の住宅に数人ずつ分宿しました。一足先に理乙の志村博さんらが、ここに動員されていました。
 ワーフという炉から出てきたコークスを粉砕する現場や火薬の原料ガスを三百気圧に加圧するコンプレッサーの現場で働きました。
 そのうち、学生の中から次々と入隊者が出て、ワーフの現場の作業だけになりました。
 ワーフの仕事は十二時間勤務、二十四時間休みという形でした。
 寮から工場までの道すがら市立の図書館がありました。坂口堅三さん、南健一さんが貸し出し係り少女と知り合いになり、三浦さんらは図書館地階の書庫に入って本を借り出すことができるようになりました。書庫には閲覧禁止の棚があって伏字だらけのプロレタリア文学などがおいてありました。三浦さんは、その棚のレマルクの『その後に来るもの』という第一次世界大戦後のドイツを書いた小説を見つけて、それを繰り返し読みました。
 卒業をひかえた日、同高校の配属将校・宇賀大佐がきて学生らの軍事教練の検定をしました。防火用水池用に掘った凹地が広いグラウンドになっていて、そこが検定試験場になりました。前日降った雪が白い敷物のように広がる中を、三浦さんら五、六人は徒手で行進し、向きを変え、整列し、回れ右をしました。
 卒業免許授与式は、監督教員宿舎でおこなわれました。
 いずれも、一九四五年(昭和二十年)三月までの動員でした。

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