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2005.06.08

真夜中の刺身盛り合わせの値段。


   真夜中の刺身盛り合わせの値段。


 仕事の帰り。
 JR国分寺駅南口に降り立つ。
 午後十一時半か。

 仕事に空きがなくて、晩飯が食えなかった。
 家に電話する。
 妻しかいないので、妻が出る。
 「食べるもの。飲み物。ある?」
 「なんにもない」

 「まぁ、家事は妻なんて、そんなことはないよなー。僕は平等主義者なんだもんね」
 つぶやきながら、駅前のスーパーに向かう。
 地下の食料売り場では、店員の一人が刺身のパックにシール張りの最中。
 シールを張り終わった刺身盛り合わせを取り上げる。
 「千二百八十円」だったのが
 「四百五十円」になっている。
 買った!!

 家に帰ると妻の寝所は真っ暗。
 「刺身を買ってきたけど、食べないかい」
 「もう、いい」
 今夜も、遅くまで走っていたんだろう。
 買ってきた焼きそばを料理して、
 刺身をおかずに、むしゃむしゃと独りで食べ始める。
 「四百五十円」の味だ。
 
 食べ終わって刺身の賞味期限を見たら、あと四時間になっていた。
 加工日は、昨日六月七日の三時四十二分。
 ふーんと思って、
 「四百五十円」のシールをはがしてはがしみみたら
 「半額」が、出てきた。
 その下を一つはがしてみたら、
 「二百円引き」と、あった。
 この刺身盛り合わせの短い間の価格の歴史を見てしまった。

 価格といえば、
 一昨日、社会保険業務センターから、
 頼んでおいた「年金見込み額のお知らせ」がやってきた。
 あと一年と八か月、厚生年金料を払い続けて必要がある。
 六十歳。ここで、僕は定年の予定。
 はい、あなたは「百十三万一千四百円」、年金がもらえます。
 ただし、これは年間の価格。
 十二で割ると、
 ふーーっ。
 これで生活を支えていくのか。
 その日暮らしの、いまの生活を数分の一に圧縮しなくていけない。

 しかし、六十三歳になると、年間の価格が増えまーす。
 「百九万六千三百円」でーす。
 十二で割ると、
 ………

 僕が厚生年金に加入したころには、
 四十年も働けば、
 それなりに暮らしていける額が支給されることになっていたはずだった。
 それを、けちけちと切り刻んできた人たちがいる。
 このうらみは、たっぷり晴らしてやる。
 いまに待ってろ。

 踏みつけられた憤りには時効はないし、
 人間の人生には賞味期限なんてないのだから。

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