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2005.11.03

総集編 短歌の花だより 早春 

 早春


   フクジュソウの年賀状


 金色が 青空バックに 燃えている
 フクジュソウだよ
 友からメール
   
 このフクジュソウは、高知県大豊町の「福寿草の里」のものだとのことです。
 二〇〇四年一月、愛媛県に住んでいる男性の友人が年賀状代わりにメールで送ってくれました。
 元気な写真です。


   カンギクの輝く黄色の暖かさ


 カンギクの 輝く黄色の 暖かさ
 正月二日の
 庭園初め

 二〇〇五年一月二日午前、東京都国分寺市の殿ヶ谷戸庭園にいきました。
 そこでカンギクと出合いました。


   ロウバイをほめる着ぶくれの妻


 「寒いのに 奇麗に咲いてる」
 ロウバイに 見ほれてほめる
 妻は着ぶくれ

 二〇〇五年一月五日午前から国立大学法人東京大学大学院理学系研究科附属植物園にいきました。
 東京都文京区白山の小石川植物園のことです。
 メンバーは、弟(高知県からやってきていました)、妻、娘、娘の二人の娘の計六人です。
 入口の左手に美しい花が咲いていました。
 シロヤブツバキでした。
そして、カンザクラです。
 メジロが二羽きていました。
 この近くでシーツを敷いて昼食。
 四歳五カ月のエミは、わが弟と走り回り、九カ月のユリは地べたに座り込んでわいわいやっていました。
 下の池のほうにいったら梅園がありました。
 もう咲き始めていました。
 帰ろうとしていたら弟が「あそこに写真を撮っている人がいるから花があるにちがいない」。
 正門の右手です。
 いってみるとソシンロウバイでした。
 短歌は、同月二十三日午後、東京都国分寺市東元町で。


   わらぶきに守られて咲くフユボタン


 わらぶきに 守られて咲く フユボタン
 人全員に
 家が欲しいね

 二〇〇五年一月二十二日午前、東京都国分寺市の殿ケ谷戸庭園で。
 この一月六日から十日までいったフィリピンで朝四時に見た、路上に寝る親子六人の姿を思い起こしました。
 何も敷かず、何もかけていませんでした。


   シナマンサクは寒空の中


 枯れ葉つけ
 黄金の線 開かせて
 シナマンサクは 寒空の中

 二〇〇五年一月二十五日午後、泊まり明け。
 東京都小平市の東京都薬用植物園に。
 黄の枯葉の中に鮮黄色の線状の花が咲いていました。
 シナマンサクでした。
 マンサク科マンサク属です。原産は、中国中部。


   ナノハナの種をまいた日


 ナノハナの 種、ごっそりと 買い込んで
 庭隅にまく
 夏の真夜中

 ご近所の 群れ咲くナノハナ
 目に焼いて
 「よっし、出発」 出勤の道

 青空に ナノハナ入れて 撮っている
 マクロレンズで
 表現できたよ

 二〇〇四年七月二十四日。泊まり明け。帰路に、スーパーマーケットで食料と「寒咲き菜の花」の種を買い込みました。
 種の袋には、こんなコマーシャルが印刷されていました。
 「冬の日ざしの中でまばゆいばかりの黄色い花は 寒さを忘れ、春の訪れをはこんでくれます」
 家に帰り着いてやったことは庭の水まき。そして、庭の隅っこにナノハナの種をまきました。
 いろんな植物を雑然と植え込んだ狭い庭。ここで、いくつかのナノハナが、この冬に花開いてくれることを念じています。
 十月一日は、僕にとって竹久夢二(たけひさ・ゆめじ)との「歴史的な出会い」の日になりました。
 この日、彼が「花の短歌」を「いくつも」詠んでいたことを知ったのです。
 「そんなの常識!!」と陰の声……。
 そのなかで、一番好きになった短歌は

 眼のかぎり 菜の花さいて 蝶(ちょう)まひて 風すこしある 山城の国

 「山城の国」は、今の京都府の南部です。
 この短歌を知って、その美しい風景が目の前に見えるような気がして、背筋がゾクッとするような感動を覚えました。

 夢二の略歴をメモしておきます。
 一八八四年九月十六日、岡山県邑久(おく)郡本庄村に生まれました。本名・茂次郎。
 一八九九年、神戸市の神戸中学校入学。家事都合により八カ月で中退。
 一九〇〇年、一家で福岡県遠賀(おんが)郡八幡村大字枝光に転籍。
 一九〇二年、家出同然に上京。
 同年、早稲田実業学校に入学し、苦学します。
 キリスト教にひかれ、安部磯雄のもとに出入りし、また社会主義に興味を持って平民社(へいみんしゃ)に参加しました。
 一九〇五年、早稲田実業学校本科を卒業し、専攻科へ進みます。
 このころ夢二は、東京・雑司ヶ谷鬼子母神(ぞうしがやきしぼじん)に近い農家に間借りして、平民社の同人で早稲田実業学校の同級生の岡栄二郎と自炊の共同生活をします。
 そこに、赤い箱車を引いての「社会主義東北伝道行商」の旅から帰京した平民社の荒畑寒村(あらはた・かんそん)が寄食しにやってきます。
 「…三人は水とパンだけで過ごす日の多い生活を意に介せず、社会主義実現の空想に耽(ふけ)って奔放な議論をたたかわせてい」ました(『寒村自伝』、荒畑寒村)。
 寒村の紹介で平民社の機関誌『直言』に「コマ絵」をかきます。『寒村自伝』によれば、夢二が、日露戦争の「勝利の悲哀」を「コマ絵」にしたのが、「夢二の作の世に出た最初であろう」ということです。
 同年六月四日付の読売新聞の「日曜文壇」に投書の「可愛いお友達」が初めて活字となります。
 『中学世界』臨時増刊号に投稿したコマ絵「筒井筒」が第一賞入選。初めて夢二の筆名を用います。
 早稲田実業専攻科を中退。投書家時代を終え、画家としてスタートします。
 一九三四年九月一日、信州富士見高原療養所で満五十歳に半月少ない生涯を閉じます。
 二首目は、二〇〇五年四月十九日午前のことです。
 三首目は、同年四月二十五日午後、兵庫県姫路市の新中川橋の近くで。


   セツブンソウの花の小ささ


 本で見て 懸想(けそう)していた 花に会う
 セツブンソウの
 花の小ささ
 
 二〇〇四年二月九日、セツブンソウに出会いました。
 東京都国分寺市のJR国分寺駅南口近くの東京都立殿ヶ谷戸庭園でのことです。
 うわーっ、花は、こんなに小さいのか。直径一センチメートルほどでした。
 図鑑で見て、ぱーっと大きな花だと思っていました。
 実物を見て、ここから僕とセツブンソウの真摯(しんし)なつき合いが始まります。


   コブシは春に先がけて


 寒風に あらがって咲く コブシ花
 さきがけのさま
 りんと示して

 すいーっと ひきよせられて あおぎみる
 コブシの花たち
 青空に舞う

 みずからの 白い花びら 敷き詰めて
 四月のコブシ
 微笑んで咲く

 二〇〇四年四月三十日朝、浅田次郎さんの小説『壬生義人伝(みぶぎじんでん)』を、やっと読み終えました。
 友だちのおすすめの本でした。
 主人公の吉村貫一郎の独白の場面の、こんなせりふが気に入りました。
 「春を先駆けて咲く辛夷(こぶし)の花が、わしは好きでがんす。あの花こは北風に向かって咲ぐ。ほかの花こはみな、陽気が温とうなってからお天道様に向かって咲くのに、真っ白な辛夷の花だけは雪この残る春のかかりに、北さ向いて咲ぐ。……」
 コブシのようにありたいと思います。
 二首目は、二〇〇五年三月三十一日午前に見た東京都国分寺市の東元町三丁目交差点の近くの民家のコブシの花のことです。
 同年四月三日午後。東京都府中市を自転車で走ると、あっちにも、こっちにもコブシの花が咲いていました。


   ボケの花が師走に咲いています


 ボケの花 十二月に 咲いていて
 少しぼけてる
 どうなってるんだ

 二〇〇四年十二月七日午後、出勤途中に<あと一時間余裕がある>ということで、東京都国分寺市の殿ヶ谷戸庭園に寄りました。
 端正な顔立ちをした女性が花をスケッチしていました。
 <あっ、あの花だ。出勤の途中にある理髪店の裏に何日か前から咲いている花だ>
 「なんという花ですか?」
 「ボケじゃぁないんですか」
 ボケは一応知っていました。
 しかし、三月くらいに咲く花なのでボケとは思っていませんでした。
 しかし、そういわれればボケです。
 なぜ、師走に……。


   ミモザは婦人デーの花


 「ミモザはね。婦人デーの 花なのよ」
 写真を示し
 語る女性(ひと)あり

 二〇〇四年五月十八日午後、長く女性の平和運動をやってきたNさん(七十七歳)と喫茶店で話しました。
 週一回、塾で中学生六人に国語を教えているそうです。歌人で女性団体の新聞に短歌エッセイを連載中。写真を撮るのが好きで平和美術展にも出品するといいます。
 花の写真の話になって、彼女は自分の撮ったミモザの写真を見せてくれました。
 ミモザは、小さなポンポンのような黄色の花を房状にたくさんつけます。マメ科です。
 「国際婦人デーの花なのよ」。「へーっ、そうなんですか。知りませんでした」。
 国際婦人デーは、毎年、三月八日です。
 一九〇八年三月八日、アメリカのニューヨークで女性たちがパンと参政権を要求したデモをしました。それに感嘆したドイツの社会主義者クララ・ツェトキンが、一〇年、コペンハーゲンでおこなわれた国際社会主義者会議で、この日を「女性の政治的自由と平等のためにたたかう」記念の日とするよう提唱しました。国際婦人デーの始まりです。
 日本では二三年三月八日、社会主義フェミニスト団体・赤瀾会が初の集会を開催しました。
 インターネットで、ここ数年のニュースを検索してみると、日本では、この国際婦人デーの日、女性たちがミモザの花を胸に飾ってデモをしてるんですね。
 イタリアでは、この日のことをフェスタ・デラ・ドンナ(女性の日)というそうです。この日、男性が女性にミモザの花を贈ります。ですから、この日は「ミモザの日」とも呼ばれています。愛と幸福を呼ぶといわれる、この花を贈られた女性たちは、その一枝を胸や髪に飾り、外食したり、夜遅くまで女友だちとおしゃべりを楽しんだりするそうです。
 二〇〇五年三月十一日、近所の家の庭でミモザが満開になっているのに気づきました。
 一面の黄色。
 一面の黄色。
 サイトを見ていて、三月十一日、フランスのブルターニュのレンヌ在住の市絛三紗(いちじょう・みさ)さんが、プログで、こんなふうに書いているのに出合いました。
 < Feb 16, 2005 もうすぐ春です
 きのうは5ミリくらいの大きさの雹が降りました。真っ白な塊が音をたてながらコロコロところがっていました。でも寒いと思っていても確実に春が近づいています。
 フランスでは春を告げるといわれている花 le mimosa ミモザが満開になりました。1ヶ月ほど前にマルシェで見つけてびっくりしたのですが、それは南仏から運ばれてきたものでした。小ぶりの花束が5ユーロもしていました。それがもう路地でも咲いているのです。黄色の色がなんだかパワーをくれそうです。>
 日本も、もうすぐ桜の花が咲く春です。
 なんだかわくわくしてきますね。
 同年三月二十四日午後、仕事先の東京都練馬区上石神井台二丁目で満開のミモザを見ました。
 青空に映えていい感じでした。


   ヒマラヤユキノシタの紫


 病院の 金網のとこ ひっそりと
 濃い紫の
 花が呼んでた

 しっかりと いくつもの株 根付かせて
 ゆったりと咲く
 ヒマラヤユキノシタ

 蜜たたえ
 師走に咲いてる 春の花
 暖冬告げる ヒマラヤユキノシタ

 二〇〇四年三月十七日、東京都国分寺市東元町の病院の脇に濃い紫色の花が咲いているのに出合いました。「わー、すごい」と、デジタルカメラに撮りました。
 友だちにカメラの映像を見てもらって「この花の名前を知ってるかい」と聞いたら、「私もあまり花の名前を知らないけど、藤原さんって花の名前を知らないんですねー」と、「感心」されてしまいました。
 その花の名前はヒマラヤユキノシタ。ユキノシタ科ベルゲニア属の常緑多年草です。原産地は、アジア東部だそうです。
 同年十二月十九日午前、東元町の民家に、この花が咲いていて写真に撮りました。
 この花は、もう二週間も前から咲いていました。


   アンズの花は雨にうながされて


 催花雨(さいかう)に うながされたか
 わが庭も
 アンズの花が 満開になる

 二〇〇四年三月二十五日のことです。催花雨は「春雨。花の咲き出す頃に降る雨」(『広辞苑』)。
 アンズは、バラ科サクラ属です。原産国は、中国。


   ツバキの花は地にいても…


 赤い色 青空を背に 輝いて
 美形のツバキ
 人を集める

 地にいても 天に向かって 誇らしく
 ツバキの花は
 りんとしている

 なぜかしら ツバキに魅(ひ)かれる
 このごろは
 冬から春への 季節を歩く

 みずからの 花を敷き詰め 咲き誇る
 胸刺すシーン
 ツバキの気迫

 二〇〇四年三月二十八日午後、妻、めいと東京都の新宿御苑を散歩。温室の近くに素晴らしいツバキが咲いていました。その赤の色が輝いているのです。こんなの初めて見ました。
 二〇〇五年一月十九日。出勤の途中、東京都国分寺市東元町でピンクのツバキを見ました。
 同年三月十三日午後から夕方まで東京都小金井市ウオーキング。
 おかげで二万歩を超えました。
 小金井市役所の駐車場のツバキの木の花が奇麗に咲いていました。
 つぼみがたくさんあって、まだしばらく楽しめそうです。
 排気ガスの中、美しく咲き誇るツバキの花たち。
 感激。
 四首目は、二〇〇五年四月十八日、東京都三多摩の東京都立武蔵野公園で。


   ヒヤシンスは「風信子」


 ヒヤシンス 中国語では 風信子
 ギリシャ神話の
 風神知ってか

 二〇〇四年十二月十九日夜中。
 妻が隣りで漢字のパズルにとりつかれています。
 植物の名前の漢字、十八題というのにも挑戦してクリア。
 「風信子」は?
 「ヒヤシンス」だそうです。
 ヒヤシンスは、ユリ科ヒヤシンス属です。
 春先にとても良い香りを漂わせる花です。
 ギリシャ神話では、スパルタの王子ヒアキントスが、風の神ゼフィルスの投げた鉄の輪に当たって死んでしまい、その時流した血から咲いた花として語られています。
 「飛信子」という和名もあります。
 二〇〇五年一月二十五日夕、仕事の帰りに東京都府中市栄町の花屋で、ヒヤシンスの鉢を二つ買ってきました。
 二月になれば花が咲きそうです。
 松浦亜弥さんが「風信子(ヒヤシンス)」という歌をうたっているようですね。


   オオイヌノフグリのライトブルー


 道わきの
 オオイヌノフグリ 見つけたよ
 ライトブルーの 春の訪れ

 地に座り レンズくっつけ 撮っている
 二つ角(つの)持つ
 オオイヌノフグリ花

 オオイヌノフグリは、ゴマノハグサ科クワガタソウ属。
 ヨーロッパ原産の帰化植物です。早春からコバルト色の花を咲かせます。花弁は四枚、雄しべは二本です。
 二〇〇五年三月七日午後、出勤のときの発見です。
 同年年四月八日。休み。午前中からオートバイで東京都三多摩の野川公園へ。
 ずーっとうまくいかないオオイヌノフグリの花の撮影に挑戦しました。


   ジンチョウゲの花、ここにもあった


 街中(じゅう)に ジンチョウゲ花 あったんだ
 わが庭先から
 駅までの道

 二〇〇五年三月七日午後、出勤の道での発見です。
 ジンチョウゲは、ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属です。

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