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2006.02.07

四国、よいとこ 279 ナ・ウンギュの無声映画「アリラン」のこと

 二〇〇六年二月七日。

 夜、CD「アリランの謎」を買いました。
 二十二の「アリラン」を聞きました。
 そのCDの小冊子で無声映画「アリラン」のことを知りました。

 一九一〇年八月二十二日、天皇の日本が朝鮮を「併合」しました。
 このもとで、二六年十月一日、ソウル鐘路四街の映画館「団成社」で無声映画「アリラン」が封切られました。
 二十四歳の朝鮮人・ナ・ウンギュが脚本を書き、監督、主演した作品でした。

 あらすじは、つぎのようなものだったといいます。
 
 日本帝国主義支配の時代の朝鮮のとある農村にヨンジンという狂人がいました。
 ヨンジンは学生でしたが、三・一 独立運動に加担したという理由で拷問を受けた後に帰郷していたのです。
 ヨンジンは、日本帝国主義と地主の抑圧に苦しみ村を離れて「満州(中国東北部)」に旅立つ村人たちを必死に引き留めていました。
 ある日、ヨンジンの親友・ヒョングが村に里帰りします。
 ヒョングは、村人を徴用して突貫工事が進められている鉄橋は、日本帝国主義の中国侵略のためであると村人を説得してまわります。
 ヒョングは、官憲に捕らえられ、凶作に苦しむ農民への援助を交換条件に工事への協力を約束してしまいます。
 鉄橋完成祝賀会の夜、ヒョングは、その交換条件がウソであることを知り、怒りと自己嫌悪のトリコとなり鉄橋爆破を決意します。
 その計画を知った悪徳地主の作男であり親日派のオ・ギホは、みずからの出世のためそれを利用します。
 また、かねてから思いを寄せていたヨンジンの妹・ヨンフィをわが物に使用と企みますが…。
 ヒョングは、オ・ギホの手からヨンフィを救い、負傷します。
 そのヒョングに代わって、ヨンジンが鉄橋を爆破しました。
 官憲に捕らえられ、手錠をかけられたまま村を去ってゆくヨンジンは正気を取り戻していました。

 アリラン、アーリラン、アーラーリーヨ…のメロディが心に刻まれてゆきます。

 ナ・ウンギュは、一九〇一年、咸鏡北道會寧出生。「満州」の間島育ちです。
 二七年、ナ・ウンギュプロダクションを創立します。
 三〇年、彼が監督した無声映画「アリラン後編」が公開されました。
 三一年、日本に渡って東京映画界を視察し、三二年に帰国しました。
 三六年、彼は「アリラン三篇」をトーキーで製作しました。
 三七年十月一日、肺結核で死去しました。三十六歳でした。

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コメント

はじめまして。
私のブログで、「失われた50本の映画」という記事を書きまして、その中の1本『アリラン』という映画について調べていたところ、ここにたどりつきました。
他では得られない貴重な内容だと思ったので、私が書いた記事の中にこちらのサイトをご紹介させていただきました。
ご了承のほどどうぞよろしくお願いします。

投稿: umikarahajimaru | 2008.01.18 22:00

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