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2006.04.22

四国、よいとこ 483 高知市 友人の母が勤めていたパン屋のパンの耳の話。

 二〇〇六年四月二十二日。

 高校三年生の時の同級生でK君という好漢がいました。
 父は早くになくなり、母と二人暮しでした。
 高知市に住んでいて、母は近くのパン屋につとめていました。
 家に遊びにいくと、おやつにパンの耳をくれました。
 パンの耳は、食パンをサンドイッチの材料に使ったりする時に残っていまう、まわりの硬いところです。
 食パンの耳だけでなくて、菓子パンの耳も入っていました。
 好物になりました。

 彼と市内の同じ大学の同じ学部専攻に進学しました。
 ときどき、彼の母が働いているパン屋に耳を買いにいきました。

 三年生が終わるころの二月、僕は大学をやめました。
 彼も「それでは、おれも」と、やめてしまいました。

 働きました。
 月給一万八千円でした。
 自宅から通っていましたが、それでは遠いので高知市内に部屋を借りることになりました。
 給料を二千円上げてくれました。

 二千円で二階の二畳一間の部屋を借りました。
 小さな押入れがありました。
 布団を入れるといっぱいでした。
 机を一つ入れました。
 机の下に足をつっこんで寝ました。
 となりに若い男女が住んでいました。

 こんな暮らしの食生活を支えてくれたのがパンの耳でした。

 この年の十月、上京して新しい仕事を始めました。
 月給は二万四千円になりました。
 このころからパンの耳は食べていません。

 いま高知市に住んでいます。
 通勤の途中にパン屋があると、店先をのぞいてみるのですが、パンの耳の袋は見当たりません。  

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