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2006.06.13

四国、よいとこ 573 植木枝盛の場合 讒謗律(ざんぼうりつ)、新聞紙条例を批判したら監獄に…。

 二〇〇六年六月十三日。

 午前四時半に起きてしまい、眠られぬままに読書しました。
 その読書で知ったことです。

 明治政府の言論弾圧のすさまじさです。

 自由民権運動の台頭に直面した明治政府は、一八七五年(明治八年)六月二十八日、自由民権派の反政府運動と言論を弾圧するため讒謗律(ざんぼうりつ)、新聞紙条例をつくります。
 讒謗律は、出版物などを通じて人を讒毀もしくは誹謗(ひぼう)した場合、その対象となった人の身分に応じて軽量をつけ処罰しました。たとえば天皇にたいする讒毀誹謗は三月以上三年以下の禁獄です。
 新聞紙条例は、新聞・雑誌の発行を内務省の許可制とし、そのうえで「政府を変壊し国家を転覆するの説」を掲載すること、官庁の許可なく「上書建白」を掲載することなどの禁止事項を設け、その違反に厳罰を付しました。

 この二つの法律を批判した植木枝盛(一八五七年二月十四日-九二年一月二十三日)は、それゆえに投獄されています。
 枝盛は、七六年(明治九年)二月十二日、「郵便報知新聞」に、「猿人政府」と題する投書を送りました。
 内容は、人間と猿との相違は「思像」(思想)の有無にあるのだが、政府が反政府運動取締りのため前年六つき二十八日に布告した「讒謗律」と「新聞紙条例」は「発論」(言論)の自由を制限し思想の自由を制限することになる、したがって言論の自由を制限する法律は人を猿にするものだというものです。
 「郵便報知新聞」の編輯人(へんしゅうにん)・岡敬孝が、この投書を「猿人君主」と改題し、同紙二月十五日号に載せました。
 枝盛は、東京裁判所に呼び出され、検事の取り調べを受け、「町用預」「拘留」になり、三月十五日、新聞紙条例違反を理由に禁獄二カ月の申し渡しを受け、ただちに鍛冶橋監獄に投獄されました。
 同時に、岡は、讒謗律違反を理由に禁獄一年半、罰金三百円の申し渡しを受け、ただちに下獄しました。

 枝盛は、五月十三日、満期出獄しました。
 そして、翌月十二日に「自由は鮮血を以(も)って買はさる可からさる論」を書きました。
 これは、「湖海新報」第十一号に掲載されました。

 ● 参考文献 『植木枝盛の生涯』(外崎光広、高知市文化振興事業団)。

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