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2006.07.18

四国、よいとこ 688 小説『僕が彼女を好きになったわけ』 二 高校以来、浩が一方的に恋をした三人の女の子。

 浩には「暗い過去」がありました。
 何度も一方的に恋をしてはやぶれているのです。

 市内の県立高校に入学してすぐに、同級生の女の子に恋をしました。
 漆黒の髪の人。色が白くて、ぽちゃっとした人でした。
 やわらかい言葉づかいでした。
 ふとしたことから話すようになりました。
 文学の好きな人で、浩に小説や詩の本を次々と貸してくれました。
 浩は、彼女に気にいってもらえるようにと次々読みました。
 一緒のクラブに入り、彼女のいる所にいき、いつも少し遠くから見ていました。
 卒業前に彼女は東京の私立大学に合格しました。
 浩は、東京に追っかけていきたかったのですが、彼の家の経済力は「地元の国立大学でも無理」という状態でした。

 浩が、次に好きになったのは大崎瞳です。
 地元の国立大学の文理学部に入ったころ、浩の町から市内に出る路面電車の中で話しかけられました。
 浩の出た高校の二学年下の女の子でした。
 住んでいるのも同じ町。会ったことはなかったのですが、小学校でも、中学校でも後輩です。
 瞳が生きいきと光る小柄な人でした。
 何度か話しているうちに、非常にしっかりした人だということがわかりました。
 浩を「そういう生き方をしては駄目なんじゃないかしら」とさとしてくれる「お姉さん」でした。
 ずっと憧れの人でした。
 しかし、彼女は、いつの間にか、僕の目の前から消えていました。

 大学でも、忙しくなってきました。
 たとえていえば「勉強するひまもないほどに」。
 みんなで文集をつくったりとクラスでも大忙し。
 音痴のくせに混声合唱団に入って、そっちのほうでも忙しい。
 そのうえ、学生運動に憧れていた浩は、当時、文理学部学生自治会執行委員会の役員だったアナキーな人たちともつきあうようになっていました。
 そんななか、合唱団の教育学部の女子学生に恋をしました。
 野生的な顔の、鍛えられたすらっとした足の持ち主でした。
 知り合ってから二カ月くらいなのに、こう申し込みました。
 「結婚を前提に付き合っていただけないでしょうか」
 すぐに答えが返ってきました。
 「ずっと、友だちでいたいわ」
 何日か立ち上がれませんでした。
 
 ここまでが「天使」に出会うまでの思い込み恋愛、失恋のお話です。
 しかし、誓っていえることがあります。
 プラトニックラブを通したことです。
 ま、相手にされなかったということもあるでしょうが、それには浩なりの事情と思いがありました。

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