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2006.08.05

四国、よいとこ 689 小説『僕が彼女を好きになったわけ』 九 石川浩の恋愛観の背景。

 ところで、何の関係もなく、そのころの石川浩の恋愛観に立ち入ることにしましょう。
 まずは、その背景から…。

 彼の父母の関係には、太平洋戦争が重くのしかかっていました。
 父は、兵庫県明石市の漁師でしたが、徴兵で陸軍の輜重兵(しちょうへい)に。中国にいきました。
 たぶん、むごいこともし、「従軍慰安婦」とも接したことでしょう。
 戦後、明石市に帰り、大阪市に魚の行商で出ていました。
 そこで、たまたま、ふるさとから大阪市にきていた母と出会いました。
 「丈夫そうで、一緒に働いて生活をつくっていけそうな女性だった」というのが父が気に入った理由だったようです。
 母は、京都市で「女中」をやっていた十六歳の時、警官と恋仲になり娘を生んでいます。
 その後、ふるさとで小学校の同級生の大工と結婚しました。
 長男が生まれました。
 しかし、夫は、徴兵で出征。軍隊での銃剣術の訓練で胸を突かれたことから、入院し、亡くなりました。
 長男も栄養失調で世を去ります。
 その後、母は、風船爆弾の紙をすくために徴用されます。
 母は、「ぼろぼろで」戦後を迎えました。

 そんな二人が一緒になり、やがて、浩が生まれました。
 そして、三人一緒に母のふるさとに帰ってきました。
 父は、機械ずきの紙工場で働きました。
 母は、手すきの女工でした。
 身なりにかまっているひまはありません。
 そのうちに父は、「浮気」をするようになりました。
 父は、戦争で失った「青春」を取り戻したいのか、一心不乱に「浮気」をしました。 
 かなりの金が、そのためにつぎ込まれ、家庭の紛争になりました。
 浩や弟たちの小中学校の給食費なども出せない状況でした。

 浩は、そんな二人を見て育ちました。
 そんな結婚は、まっぴらでした。
 (つづく)

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