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2006.08.19

四国、よいとこ 725 与謝野晶子さんが読売新聞記者安藤覺氏の上海からの侵略の通信を読み感動して作った詩。

 二〇〇六年八月十九日。

 「我等は陛下の赤子(せきし)」ということですから、昭和天皇のやることには何でも賛成ということになります。
 一九三七年七月七日、昭和天皇は侵略戦争を中国全土に拡大しました。
 このときに与謝野晶子さんがとったのは「君死にたまう…」とは、かけ離れた態度でした。
 与謝野晶子さんは「読売新聞記者安藤覺氏の上海通信を読み感動して作る」という傍注をした「紅顔の死」という詩をつくりました。
 侵略している側を「善き隣なる日本」とし、中国を「敵」と位置づけ、その上で、昭和天皇の軍隊に殺された「学生隊」に同情するという詩になっています。 
 侵略しなければ、こんなことは起こっていないことは自明なのにです。

 江湾鎮の西の方(かた)
 かの塹壕に何を見る。
 行けど行けども敵の死屍、
 折れ重なれる敵の死屍。

 中に一きは哀しきは
 学生隊の二百人。
 十七八の若さなり、
 二十歳(はたち)を出たる顔も無し。

 彼等、やさしき母あらん、
 その母如何に是れを見ん。
 支那の習ひに、美くしき
 許嫁(いひなづけ)さへあるならん。

 彼等すこしく書を読めり、
 世界の事も知りたらん。
 国の和平を希(ねが)ひたる
 孫中山(そんちゆうざん)の名も知らん。

 誰れぞ、彼等を欺きて、
 そのうら若き純情に、
 善き隣なる日本をば
 侮るべしと教へしは。

 誰れぞ、彼等を唆(そその)かし、
 筆を剣(つるぎ)に代へしめて、
 若き命を、此春の
 梅に先だち散らせるは。

 十九路軍の総司令蔡廷※〔金+皆〕(さいていかい)の愚かさよ、
 今日の中(うち)にも亡ぶべき
 己れの軍を知らざりき。

 江湾鎮の西の方
 かの塹壕に何を見る。
 泥と血を浴び斃れたる
 紅顔の子の二百人。

 すでに「詩人としての与謝野晶子」は、昭和天皇賛美の詩を世におくった時点で滅びていたのではないでしょうか。

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