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2006.09.07

四国、よいとこ 795 高知市 あの木村久夫さんと関田英里さんは高知高校の同級生だったんですね。

 二〇〇六年九月七日。

 木村久夫さんのことを調べていて、仲人の関田英里さんのインタビュー記事と出合いました。
 「’95年夏 問いつづける平和 ―4―/還らぬ学友/歴史に時効はない/高知市立自由民権記念館長/関田英里さん」(「しんぶん赤旗」、一九九五年八月十八日付)です。
 あの木村久夫さんと関田英里さんは高知高校の同級生だったんですね。

 以下、引用です。

 旧制高知高校三年間のうち二年間同じクラスで机を並べていた学友・木村久夫が、シンガポールのチャンギー刑務所で戦犯として処刑されて、ことしは五十回忌でした。
 (中略)木村は、(一九)四二年の秋に応召。南方派遣軍の一員としてインド洋のカーニコバル島に上陸しそこで終戦を迎えます。その直前、島民のスパイの検挙・処刑がおこなわれた時、木村は通訳としてかかわったばかりに軍事裁判で戦争犯罪人として死刑を宣告され、四六年五月に絞首刑となったのです。彼に命令を下した上官の責任を一身にかぶせられて。
 英語に熟達していたことがわざわいしようとは――。(中略)彼の遺書に接した時の驚きは、何ともいいようがありません。その遺書はいま『きけわだつみのこえ』(岩波文庫)に収められています。
 木村久夫は、善良で実にいい男でした。高知市新屋敷にあった彼の家に私はちょいちょい遊びにいったりもしました。彼には一風変わったところがあり、自分が尊敬できない先生には反抗もするし、欠席もする。その課目はあまり勉強もしない。そのため、私より一年早く入学していながら、卒業も一年遅れましたが英語は達者でした。四二年に高知高校を卒業した彼は、京都大学経済学部に進み本格的に社会科学の勉強を始めたようです。その年の夏に京都で彼と会ったのが最後になってしまいました。
 木村は吉井勇の歌が好きで、吉井が一時期住んでいた高知県香北町猪野々の「溪鬼荘」を高校時代よく訪れて逗留(とうりゅう)していたようです。ことしの五月、木村の知人や旧制高知高校の友人らが「溪鬼荘」に集まり、彼を偲(しの)ぶ会を開きました。無念の死を無念のままに終わらせたくありません。木村が獄中で詠んだ歌を刻む記念碑を、ゆかりの地に建て戦後世代の若者たちにも知らせようと、私が発起人代表になり募金も呼びかけることにしました。
 旧制高知高校の校歌は冒頭が「自由の空に寄す南溟(なんめい)の 永久(とわ)なる浪の響き…」ですし、寮歌の「豪気節」では、「南のお国は土佐の国 革命と自由の生まれし地」と歌われています。自由民権運動の発祥の地に大正デモクラシー期に創立された高知高校は、全国でも珍しいほどリベラルな学風で、建学の精神は「感激なき人生は空虚なり」。しかし私が入学した三八年には、国家総動員法が公布され、戦時体制は外から整えられてきていました。“自由”“自治”の精神はしだいに侵され、奪われていったのです。けれども精いっぱいの抵抗を示し、学びあった学友たち――。
 私は、高知高校から東京大学に進みましたが、戦局の悪化から、四三年十月、大学、高専の学生生徒に卒業まで認められていた徴兵猶予の制度が、文科系には突然なくなり、いわゆる「学徒出陣」、私たちがその第一号になったわけです。私は徴兵検査は丙種でしたがその私にまで召集令状(赤紙)がきて、十二月一日、高知の歩兵連隊に入営しました。
 その後転々として、終戦は、浜松の飛行場大隊で迎えました。八月十五日、天皇の終戦の放送を聞いた時は、むなしさとともに激しい悲しみにおそわれました。いったい何のために無数の命が奪われたのか。何のためのたたかいだったのか、と。
 (後略)

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