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2008.05.24

サブプライム問題 勉強し始めました。

 『サブプライム問題とは何か アメリカ帝国の終焉(しゅうえん)』(春山昇華著、宝島社新書)のリポート  「プロローグ ステップ返済がサブプライムローンになる時」

   二〇〇八年五月二十四日

 ここでは大きくいって四つのことをいっています。  一、アメリカにはサブプライムローンというのがあるんですよ。それは、こういうものですよ。 二、このローンが、二〇〇七年六月から八月にかけての世界の金融市場を揺さぶったんですよ。 三、要するにサブプライムローンというのは悪徳サラ金と同じようなものですよ。 四、アメリカの「住宅バブル崩壊」でサブプライムローンの被害が拡大したんですよ。  きょうは、一にあげました、このサブプライムローンというのはどんなものなのかということをつかんでおきたいと思います。  ● 低所得者向けの住宅ローンです。対象者の多くは、銀行口座を持っていない、ローンの延滞履歴があるなど、普通の住宅ローンの申請条件を満たすことができない、そのままでは政府の住宅購入促進策の恩恵は受けられない層ですよ。 ● このローンでは、最終的に低所得者が月々の収入では到底返せないような支払い条件でローンをくませています。当初、二年間程度の返済条件を軽くして融資しておいて、据え置き期間が過ぎたら返済額が急増する形が多いですよ。 金利は、通常金利に3%程度上乗せしています。据え置き期間が過ぎたら返済金利が10%以上になったものもありました。 ローンに食いつきやすくて、据え置き期間中なら払えるけれど、この期間が過ぎたら払えなくなって破たんするということを始めから見越したやり方です。 その極端な例が、ニンジャローンです。 (十五ページの二行目から五行目まで)  ● サブプライムローンの会社は、ローン債権の転売をして、このローンの借り手が破たんしても会社は困らないようにしています。 (十六ページ一行目から五行目と、十七ページ最後から六行目から十八ページ三行目までに説明があります)  ● 典型的な借り入れパターンが紹介されています。 (十二ページ最後から三行目から十三ページ七ページ目まで)  文献を探していたら、この問題についてわかりやすい記事がありましたので、以下、紹介します。  ● ここが知りたい特集/サブプライム金融危機/金融商品の金ピカ偽装/サブプライム問題日本にも暗雲  (前略)  サラ金版住宅ローン  問題の発端は、米国でサブプライム住宅ローンの焦げ付きが急増したことです。サブプライムローンは、返済能力が十分な顧客(プライム)ではなく、返済能力の低い人(サブプライム)に高い金利で貸し付けるローンです。ローンが焦げ付く危険と引き換えに、金利を高くしています。いわば、「住宅ローンのサラ金版」です。 米国では一般に、将来の値上がりを見込んで不動産や証券を購入して貯蓄代わりにします。数年来の住宅ブームの中で、値上がりを見込んだ住宅購入が急増しました。住宅ローンには所得税控除があって「節税」効果が大きいため、ローンが住宅購入を促しました。 借り手にとっては、値上がりした住宅を担保に別のローンに借り替えると、前のローンより多く借りられるので、前のローンを返した残りを消費に回すことができます。住宅ローンは、住宅を購入するという本来の目的のほかに、消費者ローンの代わりにも使われました。そして、住宅の値上がりが個人消費を促し、個人消費が米国の景気を支えました。  値上がりが前提  プライムローンが伸びなくなると、ローン会社は貸し出し条件を緩和し、サブプライムローンを増やしました。サブプライムローンの対象は、低所得者や、ローンを焦げ付かせたり、自己破産したりした経歴がある人など、信用力が低い人です。 サブプライムローンには、初めの二―三年間は返済額を低く設定し、その後、高くなる仕組みのものが多くあります。低所得者でも、とっつきやすくするためです。 借り手の側では、返済額がはね上がる前に別のローンに借り替えると、月々の返済額を低く抑えることができます。 借金はどんどん増えていきますが、住宅が値上がりする限り、帳尻は合います。サブプライムローンの中には、返済できなくなったとき、担保の住宅を引き渡せば、全額返済したことにするというものもあります。 貸す側も借りる側も、住宅は値上がりするものと決めてかかっていたのです。しかし、永久に値上がりし続けることが不可能なのは、かつての日本の「土地バブル」からも明らかです。 住宅ブームが陰ってくると、ローンの焦げ付きが始まりました。二―三年後に返済額がはね上がる仕組みですから、焦げ付きは今後も増えていくとみられます。  返済能力考えず  それだけでなく、サブプライム住宅ローンは、元利の返済を受ける権利(債権)が転売され、証券化されました。 転売と証券化で、ローン会社は、返済期限以前に元利の全額を手にし、それをまた貸し付けることができます。債権を購入した銀行やその代理人がローンの回収を行うため、借り手が返済できなくても、ローン会社はもはや関知しません。ローン会社は、返済能力を考えず、ひたすら貸し付けを増やすことに走りました。 中には、「うそつきローン」というのがあります。ローンを申し込む人に所得を実際より多く記入させます。NINJAローンというのもあります。ノー・インカム(収入なし)、ノー・ジョブ(仕事なし)、ノー・アセット(資産なし)の頭文字をとって、NINJA。無収入・無職・無資産の人にも、購入する住宅を担保にローンを貸し付けるのです。  金融大手が証券化  証券化の技術は米国で発展しました。証券化というのは、不動産などの資産を担保にして、証券を発行し資金調達を行うことをいいます。住宅ローンの場合は、ローン会社などが貸し付けた長期の住宅ローンを担保にして証券化を行います。 サブプライムローンはもともと低信用層向けですから、貸し倒れなどの危険が高いものです。そのため、サブプライムローンをもとにした証券化商品を売りさばくには、金ぴかに「偽装」して見せる必要があります。 金融機関は、証券化という複雑で高度な金融技術を駆使することで、危険を隠すとともに、手数料や利ざやをかせぎまくっていました。 この証券化を積極的に行っていたのが米国のメリルリンチやシティなどの巨大金融機関でした。 彼らは、サブプライムローンを集めて住宅ローン担保証券(MBS)を作り、投資家に販売していました。さらに、消費者カードローン、自動車ローンや中小企業向けのローンなど別の証券を組み合わせて、証券化を重ねた債務担保証券(CDO)を作り出していました。何重にも証券化を重ねることで、証券化商品にどんな危険性が存在しているのか、非常に分かりにくくなりました。  投機的基金使う  証券化商品を販売する際には、投資家の好みに合わせて、危険が低いものから高いものといった格付けをし、小口に分けて販売します。 そのうち、危険の高い証券化商品を多く購入していたのは、ヘッジファンド(投機的基金)です。ヘッジファンドの活動はベールに包まれていますが、大手金融機関はヘッジファンドに巨額の資金を提供し、傘下に置いてきました。大手金融機関は、傘下のヘッジファンドに危険の高い商品を引き受けさせることで、危険の低い証券化商品を「金ぴか」商品として世界中で売り出すことができたのです。 証券化商品が「金ぴか商品」であることを名乗るためには、第三者による「品質保証」が必要です。その保証を行うのが格付け会社の役目です。 しかし、格付け会社の利益のもとは、証券を発行する金融機関からの手数料です。それで、審査が金融機関に「甘くなる」と指摘されています。しかも、サブプライムローンの場合、格付け会社が受け取る手数料は、通常の社債よりも高く、格付け会社も証券化作業に参加し、口をはさんでいたといわれています。  別動隊をつくる  証券化の舞台となったのが、SIVと呼ばれるペーパーカンパニーでした。SIVは、大手金融機関が自らの事業活動から切り離すために設立した特別目的事業体のことです。いわば、大手金融機関の別動隊です。税金逃れのために、多くはタックスヘイブン(租税回避地)に登録されています。 SIVは、大手金融機関が保証をつけているため、その信用力によって低コストで資金を集め、利益をあげる仕組みになっています。現在は、約三十のSIVが存在するとみられています。  バブルはじけ損失  大手金融機関は、証券化することで、住宅ローンの返済の遅滞や不履行の危険を回避することができるとされてきましたが、住宅バブルがはじけると、損失が一気に表面化しました。シティやメリルリンチは、数兆円もの損失を出しています。 大手金融機関はSIVに対して、「事が起きたとき」の保証をしているために、その保証実行を迫られるという形で、危険が大手銀行にブーメランのように戻ってきたためです。また、大手金融が自ら抱え込んでいた住宅ローン担保証券や債務担保証券が値崩れを起こしています。  保証会社に打撃  信用不安は、証券化商品の保証を行っている、モノラインと呼ばれる保証会社の経営問題に飛び火しています。モノラインは、単一の事業という意味で、金融保証保険を専門に行う保険会社です。債務者が債務不履行になった場合、モノラインが元利支払いを行うことを投資家に対して保証しています。もともとモノラインの保証の主力は地方債です。このため、混乱は、地方債にまで広がっています。モノライン最大手のMBIAは、資金繰りが悪化したため、債務担保証券などの保証業務を一時中止する事態に陥っています。  金利下げ副作用  サブプライム金融危機に直面した各国の中央銀行は、短期資金を市場に供給しました。また、震源地の米国では、連続的に金利を引き下げました。金利の引き下げは、マネーの暴走を加速させる副作用をもたらします。このところの原油や穀物などの価格の高騰も、投機マネーが原因と指摘されています。一方、預貯金金利はゼロ近辺のままです。 米国の大手金融機関は、大量の人員整理を開始。日本の金融機関もサブプライムローン関連商品の損失を拡大させています。 世界経済は、米国の「過剰な消費」に頼った経済運営を行っていました。すでに米国の消費は赤信号が点滅。特に、米国への輸出に依存してきた日本経済の先行きには暗雲が広がっています。 (「しんぶん赤旗」日刊紙、二〇〇八年三月二日。北川俊文、金子豊弘)  疑問1・アメリカでは銀行口座をつくる条件は、どうなっているのでしよう。  疑問2・ローン債権の転売というのイメージがよくわかりません。説明していただけませんでしょうか。    【参考】  ● サブプライムローン   フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から。  サブプライムローン(米:subprime lending)は、主にアメリカ合衆国において貸し付けられたローンのうち、優良顧客(プライム層)向けでないものをいう。狭義には、住宅を担保とする住宅ローンに限定されるが、広義には、自動車担保など住宅以外を担保とするものを含む。一般的に他のローンと比べて信頼度が低いとされている。 2007年夏頃から、主に住宅ローン(狭義のサブプライムローン)返済の延滞率が上昇し、これを組み入れた金融商品の劣化をきっかけとした金融不安に関わる問題が起きている。報道機関がこの問題を扱う際に、しばしば低所得者向けローンであるとの説明が加えられ、収入が乏しい借り手に多額の貸し付けを行ったというニュアンスで取り上げられるが、厳密には信用度の低い人向けのローンである。実際、信用力の評価基準に所得の多寡は含まれていない。   概要  サブプライムモーゲージ(subprime mortgage)ともいい、通常は住宅ローン担保証券(RMBSもしくはMBS)の形で証券化され、さらにそれらが債務担保証券(CDO)の形に再証券化されて、投資家に販売される。RMBSやCDOは格付け機関により格付けされており、市場で取引される。つまり、不動産のローンによる売買そのものを証券化し、金融機関や投資家の間で取引されたことになる。 住宅ローンの実施にあたっては、債務者の信用力を数値化したFICO信用点数が用いられる。十分な信用力を有している債務者に対しては、プライムローンとして扱われる。ここで所定の基準を満たさない債務者に対する貸付を行う場合を総称し、プライムローンに対して、サブプライム(sub-下に prime-優れた→信用度の低い)ローンと呼ぶ。債務者の所得水準が低い場合が典型的であるが、信用力を超えた借入を行って不動産投資を行う場合などにも、同様にサブプライムローンが利用されている。 一般的な特徴としては、貸付利率が通常の住宅ローンに比べて高くなり、貸付者が取る信用リスクも高くなる。このため、債務者が弁済を容易とするための特別なアレンジや、貸付を行う側としては、貸付リスクの分散が通常の住宅ローンよりも重視されることとなる。 サブプライムローンの貸付残高は拡大したが、債務者の信用水準が一定基準を満たさない者に集中しているという本質的な特質から、返済の遅延・不能、および波及的効果としての信用の収縮など、以下のような問題点が表面化している。  問題点  背景  サブプライムローンに限らず、アメリカにおいて、住宅ローンの返済方法として、当初数年間の金利を抑えたり、当初数年間は金利のみの支払いを行ったりと、当初の返済負担を軽減したものが普及し、そのため債務者が自分の返済能力を無視した借入を行うことが可能となり、そのような貸付が増加していた。 本質的には債務不履行のリスクは通常の住宅ローンよりも高い構造を有しているものであるが、住宅の価格が上昇している場面においては、返済の破綻はこれまでは必ずしも表面化しなかった。債務者の所得が上昇せず、生活費が上昇して本来であれば返済に行き詰まる状況であっても、住宅価格が上がっている場合には、債務者は住宅価格の値上がり分について、担保余力が拡大することから、その部分を担保に、新たな追加借入を受けることができた(ホームエクイティローン)。これにより破綻を先延ばしするだけでなく、消費を拡大することもできた。 また、住宅価格が大きく上昇すれば、当該住宅を転売してローンを返済し、さらに売買差益も得ることも可能であった。当初負担の軽い返済方式の普及によって所得からすれば本来、住宅ローンを組めない人にまでローンを組む人が増えて、住宅ブームが拡大する間は破綻が表面化せず、むしろ住宅ブームを加速した。  過熱  このように当初の支払額を軽減した返済方式は、当初期間経過後、支払額が急増するというリスクがある。以下は参考のため日本における住宅購入に、サブプライムローンを適用したと仮定して説明する。3千万円の住宅の購入に当たり、全額を無利子で借り入れたとすると、10年ローンでは月々の返済は25万になる。ここで最初の3年間は月々10万に抑えると残り7年は月々約30万強の返済額になる。現実的な契約では利息がつきもっと複雑になり、最初は返済金に占める利子の割合が大きく、ここで返済額を抑えると元金がほとんど減らない状況もありえる。 所得の確実な増加が見込めるならば、住宅価格の上昇を前提とせずにこのようなローンを組むのも合理的だと言えるが、所得が伸びない低所得階層には全く不向きである。ところが住宅ブームの中で、高利回りの債権の開発の要請と、債権の需要から、米国へ移民して間もなくクレジットヒストリーの無い外国人や、クレジットヒストリーの瑕疵からプライムローンの対象にならない顧客にも積極的に貸し付ける様になり、更には住宅価格の上昇を前提として低所得階層にまで半ば強引な貸付が行われ、サブプライムローンが拡大していった。低所得者層に十分な説明が行われないまま契約を行ったり、複雑な説明をして契約を行った例がある。中には当然プライムローンの対象となる優良な顧客に対してサブプライムローンを貸し付け、より高い利息の収益を図った例もある。一方で、利息が低い期間の間に住宅価格が充分に上昇すれば、支払った利息を超える差額を手にして転売することが出来るし、支払いを着実に行えばクレジットヒストリーの蓄積とみなされて、より利率の低いプライムローンへの借り換えも考えられる。しかし、サブプライムローンの行き過ぎは1990年代後半頃から問題視されるようになり、同時に住宅バブルが指摘されるようになる。 このような行き過ぎの中で、低所得階層に過重な手数料を求めたり、あるいは返済できないために低所得階層が物件を差し押さえられ住宅を失ったりといった問題が生み出された。この問題は略奪的貸付(predatory lending)として知られる。かつてアメリカでは、貧しい黒人居住地域を金融機関が融資上差別したことが、レッドライニングと呼ばれる社会問題を生み出したが、住宅ブームの中で、むしろ貸し過ぎが問題にされるようになった。なお、この略奪的貸付については、低所得階層が貸し込み先になっているという意味で、日本における消費者金融の多重債務問題や、バブル経済下での目先の収益獲得に追われた金融機関による、中小・零細企業からの貸し剥がしと性格が似ているという指摘がある。 もともとアメリカの住宅ローンでは、融資する側では金融機関による融資とローン債権の流動化がローンの拡大を支えていたが、流動化がこのような信用力の劣るサブプライムローンにまで及んできたことは、サブプライムローンの拡大を下支えした。  延滞の増加・信用の収縮  しかし、住宅価格上昇率が2006年に入って以降急速に鈍化すると、予測されたことだが、サブプライムローンの延滞率が目立って上昇を始めた。2006年末に住宅ローン全体の約13%を占めるサブプライムローンにおいて利払いが3か月以上滞る延滞率が13%を超えた。担保住宅処分後により8割は回収できるとされるが、その想定が甘いとの指摘もある(日本経済新聞2007年3月19日による)。 (サブプライムローンを借りて、差し押さえになった世帯の10~20%は、頭金がなしで、利子を一度も払ったことがないとのこと。差し押さえまで最短でも1年かかるために、一年間はただで住んだことになる。 債務者の延滞が顕著となってくると、次は、サブプライムローンの貸し手である融資専門会社に対する融資に金融機関が慎重になり、専門会社の中には資金繰りが悪化して経営破綻する例が出始めた。大手金融機関では貸倒引当金を増やさざるを得ず、利益を圧迫する結果になっている。 2007年3月13日に大手のニュー・センチュリー・ファイナンシャルが、経営破綻が懸念されるとしてNYSEでの取引が停止され、上場廃止が決まった。3月20日までに連邦倒産法第11章に基づく資産保全を申請した会社は4社、業務停止は20社以上となった。その後、ニュー・センチュリーは4月2日に連邦倒産法第11章の適用を申請した。 サブプライムローンは貸付債権として証券化・分割され、複数の金融商品に構成要素の一つとして組み入れられた。そもそも金融商品には本質的に高い利回りを求められる。サブプライムローンは高率の返済利息に裏づけられた高利率を期待できる貸付債権であった。一方で、本質的に高いリスクを内包するサブプライムローンを分割し、他の安全な証券と組み合わせて金融商品を構成することで、リスクを制御・抑制することが出来ると考えられた。 金融商品については、必ずしも構成要素にサブプライムローンが含まれていることを明示していないものがあった。また、サブプライムローンを組み入れているものであっても、大数の法則・担保の提供によりリスクが軽減されていると考えられたが、実際にサブプライムローンの延滞率が上昇してくると、必ずしも当初の目論見どおりにリスクがヘッジされているわけではなく、金融商品自体が想定された利回りを下回ったり、元本自体の返済が不能となったりする例が浮上してきている。 こうして、サブプライムローンの信用リスクの顕在化は、この債権を組み込んだ金融商品そのものの信用リスクに波及した。 2007年6月22日には、米大手証券ベアスターンズ傘下のヘッジファンドが、サブプライムローンに関連した運用に失敗したことが明らかになり、問題は金融市場全体に拡大した。ファンドの中には、資金繰りが悪化して資金の引出を停止したり、解散を決めたりするものが相次いだ。ファンドは大手金融機関から多額の融資を受けており、問題の拡大が懸念された。ヘッジファンドは、高い利回りを求めて、住宅ローン担保証券の中でもリスクの高いエクイティ債や、エクイティ債を組み込んだ債務担保証券に好んで投資してきた。 7月10日には米格付け機関のムーディーズが、サブプライムローンを組み込んだ住宅ローン担保証券RMBSの大量格下げを発表した。この結果、投資家がリスクマネーの供給に慎重になるなど、心理的影響の波及も懸念されている。さらに、この格下げのタイミングが後手に回ったとして、格付け機関自体の信用度を疑問視する意見も出ている。 また、サブプライムローンに関する問題は、いわゆる優良な顧客としての、通常の債務者を対象とする住宅ローンなどの貸付に関する貸付の縮小の動きにも繋がっていることから、限定された債務者に対する貸付の問題のみならず、より広く融資・信用供与のシステム全体における動揺をもたらしかねないとする懸念が起こっている。  個人向け貸し付けへの影響  住宅ローンの返済遅延等の増加や、住宅価格の低下により、クレジットカードの利用増加及び、貸し倒れが増加している。詳細はクレジットカード#2007年のサブプライム問題の影響を参照。 また、高金利のペイディローンに手を出す人が増えている。   金融政策的対応  サブプライムローンに関する信用への問題が顕在化するにつれて、それを要因に含んだものとされる各国の株式市場の株価の下落や、為替におけるドル安の動きなどが見られた。アメリカ合衆国の政府はじめ金融当局は、サブプライムローン問題の直接の金融システムないしは信用システムに対する危機的悪影響を否定しているが、アメリカ連邦準備制度理事会や各国の中央銀行は、市場に対する資金の供給量を増すなど、本問題を契機とする信用問題に対して一定の対策を取りはじめている。 8月、事態を重く見たジョージ・W・ブッシュ大統領はサブプライム問題の被害者への救済に乗りだすことを表明した。  資本市場への影響、及び問題の本質  サブプライム問題の背景として論じられる幾つかの要素は、必ずしも本現象の直接的な要因とは言えないものもある。例えば変動金利型ローンは、銀行等の住宅ローン債権者にとって元来管理が難しかった金利変動リスクを、デュレーション(債権キャッシュフローの平均回収期間)の短期化を通じてより効率的に管理する有効なツールであり、サブプライムビジネス固有の金融商品ではない。 また、サブプライム層に対する融資も、(強制的な貸付け等、一部に指摘されている様な倫理的に問題のあるケースを除き)借り手の信用力がローン金利の高低等によって適切に調整・吸収されている限りは問題ない。問題となるのは、あくまで債権者側が従来見積もっていた様な債務不履行確率(及びそれに基づく貸付金利の設定)以上に実際の債務不履行事象が発生する等の場合であり、また、その様なアウトライヤーイベント(想定外の事象)の発生するリスクはサブプライムローンに限らず、より信用力の高い貸し手に対するローンビジネス、或いは金融以外の様々な経済取引においても同様に起こり得ることである。 ベアースターンズやBNPパリバ等のヘッジファンドのニュースにしても、本質的には一部の金融機関が一部の金融取引でのアウトライヤーイベントの発生によって想定外の損失を被った、ということでしかない。ただし、2007年7月から同年8月にかけて、サブプライム問題を材料に世界中で株価の急落や信用市場の混乱、果てはFRBによる公定歩合の緊急引き下げといった事態にまで発展した最大の要因は、幾層もの証券化を通じて住宅ローン債権の本来のリスク特性が見えなくなっていた中で、市場参加者の多くがパニック的に極端なリスク回避行動に出たことにあると言える(2008年現在進行中の事象であり、解釈には注意が必要)。 なお、市場参加者の中にはサブプライム問題を材料にした、極端な円高や住宅担保証券の下落で大きく利益を上げた者も多い。Institutional InvestorのAlpha誌の調査によると、2007年のヘッジファンド業界の報酬トップはPaulson & Co.の創業者、ジョン・ポールソン氏の37億ドル(約3800億円)だった。ポールソン氏のヘッジファンドは住宅担保証券の下落で大きな利益を上げた。興味深いことに、ポールソン氏は元ベアースターンズのマネジングディレクターである。  ● 貧困・投機・環境――資本主義は限界かテレビ朝日系番組 志位委員長大いに語る  日本共産党の志位和夫委員長は、十八日放送されたテレビ朝日系番組「サンデープロジェクト」が企画した「資本主義は限界か」に出席し、田原総一朗氏のインタビューを受けました。コメンテーターは、朝日新聞編集委員の星浩氏、米戦略国際問題研究所非常勤研究員の渡部恒雄氏でした。 (中略)  田原 (中略)アメリカでサブプライムローンが破綻(はたん)し、アメリカ経済が大打撃を受け、これは世界にも及び、日本の経済がだめになっている。実はそのマルクスが、百年以上前に、将来は、資本主義の限界が見えてきて、その限界で破綻すると。そういう状態にいまなっているのかなあと思っている人が多いけれども、志位さんはどう見ますか。 (中略)  志位 いま「資本主義の限界」といわれたんですが、ちょっとフリップをつくりましたが、大きくいって、世界でも日本でも、貧困と格差が広がり、それから投機マネーが暴れまわって、穀物や原油に流れ込んで高騰をもたらしている。(田原「石油は一バレル百五十ドルと、むちゃくちゃなことになっている」)そうです。もう本当の高騰で、全部の生活必需品を値上げさせていますよね。それから環境破壊で、地球温暖化まで出てきた。マルクスは資本主義の本性は「利潤第一主義」で、儲(もう)け第一でともかく突っ走ると。この暴走がどうも限界にきているとやはりいえると思うんですね。 (中略)  田原氏は、つぎに、「いま一番聞きたいのは、アメリカのサブプライムローンが焦げ付いて、いま大問題になっていますが。これはどう見ます?」と質問。志位氏は次のように答えました。 志位 サブプライムローンというのは、いわゆる低所得者向けの住宅ローンです。これを詐欺商法のようなひどいやり方で貸し付けて、貸し付けた側はすぐ証券にして売り飛ばしちゃう。そして、手数料だけ取るという非常にひどいやり方がはびこった。 田原 この詐欺商法を具体的にいうと、とにかくマイノリティー(少数民族)とか、所得の低い人たちのためのサブプライムローンで、金利が高い。ところが頭金がなし、最初は金利がほとんどなく、安くて借りやすい。それで、三年、四年たって(利息が)ガーンと上がってくる。どうすればいいのかと。住宅(の価格)が上がるんだから売り払えばいいといっていたのに、住宅が下がってしまった。 志位 住宅が上がり続けることを前提にしたものだったんですが、そんなことはありえないですから、ボーンと下がって大破綻が起こった。 田原 どうしてアメリカの資本主義が発達した先に、こんな詐欺商法になっちゃったんだろう。 志位 マルクスの言葉を一つ。『資本論』のなかでこういう言葉が出てくるんです。「信用制度が…過度投機の主要な梃子(てこ)として現れる」と。それから、「信用制度は…巨大な賭博とペテンの制度にまで発展させる」と。 田原 このサブプライムローンは賭博とペテンだと。 志位 そうですね。サブプライムローンというのは、賭博とペテンの典型だと思いますね。 田原 渡部さん、賭博とペテンですか。 渡部 過度な場合はそうでしょうけれども、ではいま、信用制度がなくなったらお金は借りられないから、たとえば中小企業がビジネスをすることもできないんですよ。 田原 アメリカが過度な賭博とペテンをやったから、アメリカにたいする信用がなくなり、ドルがどんどん安くなったということがありますね。 志位 そうです。ですから、そういう事態がありますが、私たちは信用制度全体をなくせといっているわけではない。「過度な投機」というところが問題です。 田原 アメリカがそうです。 志位 アメリカがそうです。もう一つは、過度な投機マネーがどれだけ暴れまくっているか。これは、三菱UFJ証券がつくった金融経済と実物経済の比較表です。実物経済は世界のGDP(名目)で、四十八・一兆ドル(二〇〇六年)。 田原 たいした伸びはない。 志位 それでもまあ伸びています。それでガーっと伸びているのは金融経済のほうで、百五十一・九兆ドル。ですから、百兆ドルぐらいの差があるわけですよ。 田原 実物経済より、金融経済がドーンと伸びていると。 志位 ドーンと伸びている。これが全部が投機マネーとはいえませんけど、(この資料を)分析した方によれば五十兆ドルぐらいは余ったお金だということです。この余ったお金が世界中を徘徊(はいかい)して、原油や穀物に流れ込んで、そしてこれで一番困っているのは、世界の庶民です。それから発展途上国でしょう。食糧危機で暴動まで起こっている。やはり、非常に深刻な限界が表れていると思います。  投機マネーの問題から、日本経済のあり方に議論はすすみます。 田原 そこで聞きたいんですが、実はそのサブプライムローンの影響は、日本はほとんどありません。サブプライムローンでやられているのは、やっぱりアメリカとヨーロッパなんですが、日本にはほとんど影響がないんです。にもかかわらず日本の株が、ドーンと下がっている。一番の震源地はアメリカなのに、ニューヨークの株価よりも日本の株価のほうがドーンと落ちている。なんで日本がこんなにダメなんだ。 さらに、ちょうど去年八月以来、つまり自民党が負けたときから、外国人の投資家がどんどん日本から逃げていっている。どうも日本を見捨てているんじゃないか。なんで、こういうことが起きるのか。 そういえば志位さん、実はこの一人当たりのGDP(国内総生産)で、OECD(経済協力開発機構)のランクで言うと、日本は九三年には二位だったのに、いま十八位にまで落ちている。ドーンと落ちているわけです。それから、実はこれは世界経済フォーラムが出典の国別競争力では、日本は八位です。技術、情報技術競争力にいたっては十九位で、もうドーンと日本は落ちている。これは何でなんだろう。 志位 (日本の)株が落ちたことについていいますと、直接的には田原さんがこのフリップ(外国人投資家の株式売買動向)を出しましたが、外国人投資家がどんどん売った。大体いまの日本の株式市場の(売買の)六割ぐらいが外国人投資家ですが、この人たちは短期の株の売買で利ざやを稼ぐという動きをするわけで、この人たちが売った。 これが直接的な原因だと思うんですが、問題はなぜそういう売りが出たかということです。根本を言えば、日本の経済が、“外需頼み、内需がないがしろ”になっている。(田原「つまり輸出頼みね」)輸出頼みになっている。つまり「成長」というが、伸びているのは輸出なんです。「繁栄」というが、繁栄しているのは一部の輸出大企業なんです。それで、経済の五割以上を占める家計消費をはじめとする内需のほうは低迷している。つまり内需を犠牲にして、外需を強くすればいいというやり方が行き詰まった。(田原「ずっとそれできたの日本は」)ずーっとそれできたんだけれども、とうとうそれが行き詰まって、そこを見透かされる。 つまり、そうなると、アメリカのほうでサブプライム(問題)が起こる。アメリカの市場が収縮する。そうすれば輸出が危ないぞということで、パッと逃げていくという状況だと思います。 田原 ほんとはね、アメリカの信用がだめになったら、ぼくは日本株でも買おうかと思って。 志位 でも、外需頼みの経済をつくってしまったのだから、ここは経済のあり方を内需主導で、とくに家計を大事にする、家計にテコ入れをして、経済が健全に発展していくような方向をとるべきです。そうしないと、長期的には、先ほど言った国際競争力の問題にしても長期の展望が出てこなくなります。(田原「内需ですね」)内需が大事だと。 (後略) (「しんぶん赤旗」日刊紙、二〇〇八年五月十九日)  この記事の全文は、日本共産党中央委員会のホームページに掲載されています。  http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-05-19/2008051925_01_0.html

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