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2009.08.01

高知市 千島列島、歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)問題を考える その四・日本政府の四島返還をの議論について

 ところが、日本政府は、一九五〇年代なかばの対ソ交渉以来、ヤルタ秘密協定とその内容をもりこんだサンフランシスコ平和条約の千島放棄条項を前提にしながら、“国後、択捉の南千島は千島列島ではないから返せ”といいはじめました。
 日本政府は、サンフランシスコ平和条約で放棄した千島列島を北千島、南千島をふくむものと解釈してきました。日本代表の吉田茂首相は、一九五一年九月十日夜のサンフランシスコ会議全体会議でサンフランシスコ平和条約の受諾演説をしました。その中で、条約で放棄した千島列島について、択捉(えとろふ)・国後(くなしり)と得撫(うるっぷ)以北とを千島列島の南部、北部と規定しています。一九五一年十月十九日のサンフランシスコ条約批准国会で「この条約に千島とあるのは、北千島及び南千島を含む意味であると解釈しております」(西村熊雄条約局長)とのべています。
 鳩山一郎内閣の下で一九五五年六月三日からイギリスのロンドンで日ソ国交回復の交渉が始まりました。八月九日の第十回会談で、ソ連側は歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)については放棄する意思があることをほのめかしました。そうした中、同月三十日の第十三回会談で松本全権は択捉(えとろふ)、国後(くなしり)を歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)と同列視する新条文を提示しました。これにたいしてソ連は日本の態度を非難、結局、ロンドン交渉は九月二十一日、中断しました。
 国交回復交渉は翌年まで続き、一九五六年十月十九日、鳩山首相とソ連のブルガーニン首相が日ソ共同宣言に署名しました。そこでは、日ソ両国は引き続き平和条約締結交渉をおこない、条約締結後にソ連は日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡すことがうたわれていました。しかし、この条項も、一九六〇年、岸信介内閣が日米安全保障条約改定をしたことを理由に、ソ連が一方的に取り消しを宣言しました。
 その後、一九九〇年代以降、「東京宣言」(一九九三年)、「モスクワ宣言」(一九九八年)、「イルクーツク声明」(二〇〇一年)など、領土問題をめぐって多くの合意文書が日ロ間で交わされてきました。
 しかし、今日まで領土問題の解決の糸口すら見いだせていません。
 現在も、政府、自民党は、択捉(えとろふ)、国後(くなしり)、歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)の返還を求める、いわゆる四島返還論に立っています。
 なお、与党の公明党、野党の民主党、社民党も自民党と同じく四島の返還を主張しています。
 ロシア側は、一九五六年の日ソ共同宣言を根拠に「考えられうる二島(歯舞、色丹)引き渡しの必須の前提条件は平和条約締結だ」(プーチン大統領。二〇〇四年十二月二十三日)と、ソ連の立場を継承しています。

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