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2009.08.01

高知市 千島列島、歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)問題を考える その五・ロシアは千島列島、歯舞、色丹を日本に返還すべきです

 私は、一九六〇年代からソ連、ロシアは日本に千島列島、歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)を返還すべきだと考えてきました。
 これは、日本共産党が主張してきたことと同じです。
 日本共産党の宮本顕治書記長は、一九六九年三月五日、「千島問題についての日本共産党の政策と主張」を発表しました。これは、日ソ間の領土問題の歴史的研究をもとに、ヤルタ協定での千島引き渡し条項やサンフランシスコ平和条約での千島放棄に拘束されず、日本の歴史的領土として全千島列島の返還を要求せよと主張したものでした。
 その後の「日本共産党綱領」でも「日本の歴史的領土である千島列島と歯舞諸島・色丹島の返還をめざす。」(二〇〇四年一月十七日の第二十三回党大会で改定)と主張しています。
 領土問題では、歴史や法に照らして、筋の通った国際的に通用する道理ある立場に立つことが大切です。以下、千島列島、歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)返還を主張の論点を私なりにまとめてみました。
 ○ 日ロ領土問題解決の出発点とすべきなのは一八七五年の「樺太・千島交換条約」です。一八五五年の「日魯通好条約」は、国後、択捉を日本領とし、樺太(サハリン)島上の国境を未画定とする、いわば中間的条約でした。全千島列島の日本帰属を定めた「交換条約」が、日ロ間で平和的に領土を画定した最終的条約であり、千島全島が日本の領土である根拠となります。
 ○ 歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)については、北海道の一部であり、ヤルタ協定やサンフランシスコ平和条約の千島放棄条項の対象になっていない島々です。それが、たまたま、アジア太平洋戦争終了時に南千島に駐留していた日本の陸軍第八九師団が、歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)にも駐留していたために、ソ連が、南千島と一緒に占領する地域となっただけのことでした。ロシアが占領していることに何の根拠もありません。日本政府は、ロシアに即時無条件に返還せよと求めるべきです。
 ○ 千島問題については、やはり、ソ連の無法な領土占有を追認し誤った戦後処理の根拠となっているサンフランシスコ平和条約二条C項を不動の前提とせず、誤った戦後処理を正す立場でのぞむことが大切です。
 一九六八年五月二十三日の「条約法に関するウィーン条約」(一九八〇年一月二十七日発効)には、間違った条約、条項の廃棄が保障されています(第五三条「一般国際、法の強行規範に抵触する条約」)。
 また、条約には、よき先例もあります。この条約は、第三条の沖縄や小笠原にたいするアメリカの統治権を認めました。この条項は廃棄されていませんが、その後の小笠原や沖縄の本土復帰にともなって、この第三条は「立ち枯れ」状態になっています。
 二条C項を廃棄するという国民の世論を強め、それを背景にして、二条C項の廃棄を世界に通告する、そして、その通告したという前提でソ連と返還について交渉するという順序が必要ではないでしょうか。
 ○ ソ連との交渉にあたっては、ロシアはスターリンの領土拡張主義の誤りを是正せよと正面から提起していく必要があります。
 千島問題では、ロシアには理がありません。
 日本共産党の不破哲三氏は著書『スターリンと大国主義』(新日本出版社。一九八二年三月二十七日)で、つぎのようにのべています。「戦後になって、ソ連側は、千島問題を、ソ連がもともと権利をもっていた歴史的な領土の回復であったかのように理屈づけようと、懸命になりましたが、ソ連の歴史家がこの三十余年間に展開してみせたどんな“論証”も、まじめな検討にたえるものではありませんでした。昨年〔一九八一年〕も、『プラウダ』(藤原注・ソ連共産党の機関紙)の東京特派員が、千島は、日本が弱体化したロシアに圧力をかけて不法におどしとったものだといった議論を書きたてたりしましたが、十九世紀後半、幕末の日本に艦隊を派遣して圧力をかけたのがロシアであって、日本が艦隊を送ってロシアをおどしつけたわけでないことは、いまさら論じることもばかばかしい歴史の常識です。しかも、そこで結ばれた『不平等条約』の束縛からぬけだすのに、日本はさらに三十年もの歳月を要したのです。歴史を改作して恥じないこうした議論は、スターリンがもちだした領土要求が、歴史の真実と両立しえない不当な大国主義の要求であったことを、うきぼりにするだけのものです。」

 ソ連崩壊のさいに、スターリンのバルト三国併合の誤りは正されました。第二次世界大戦の時期のソ連による領土拡大や併合などの誤りは、ほとんどが解決されました。残るのは千島列島と歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)との問題です。

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