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2010.01.23

国際紛争の処理を学ぶ 資料集 その六 「武力紛争法の適用」

 【ジュネーヴ諸条約第一追加議定書】

 第五一条(文民たる住民の保護)
 5 特に、次の攻撃は、無差別とみなす。
 b) 予期される具体的かつ直接的な軍事的利益との比較において、過度に、巻添えによる文民の死亡、文民の傷害、民用物の損傷又はこれらの複合した事態を引き起こすことが予測される攻撃

 第五六条(危険な威力を内蔵する工作物及び施設の保護)
 1 危険な威力を内蔵する工作物又は施設、すなわち、ダム、堤防及び原子力発電所は、これらの物が軍事目標である場合にも、その攻撃が危険な威力を放出させ、その結果文民たる住民の間に重大な損失をもたらす場合には、攻
撃の対象としてはならない。これらの工作物又は施設の場所又はその近傍に所在する他の軍事目標は、攻撃がこれらの工作物又は施設から危険な威力を放出させ、その結果文民たる住民に重大な損失をもたらす場合には、攻撃の対象としてはならない。
 2 1に規定する攻撃からの特別の保護は、次の場合にのみ、消滅する。
 a) ダム又は堤防については、それが通常の機能以外の目的でかつ軍事行動に対し恒常的、重要なかつ直接の支援を行うために利用されており、それに対する攻撃が支援を終了させるための唯一の可能な方法である場合
 b) 原子力発電所については、それが軍事行動に対し恒常的、重要なかつ直接の支援を行うために電力を供給しており、それに対する攻撃が支援を終了させるための唯一の可能な方法である場合
 c) 1に規定する工作物又は施設の場所又はその近傍に所在する他の軍事目標については、それが軍事行動に対し恒常的、重要なかつ直接の支援を行うために利用されており、それに対する攻撃が支援を終了させるための唯一の可能な方法である場合
 3 文民たる住民及び個々の文民は、すべての場合において、国際法が与えるすべての保護(次条に規定する予防措置の保護を含む。)を享有する権利を有する。保護が終了し、1に規定する工作物、施設又は軍事目標が攻撃される場合には、危険な威力の放出を避けるために実際的なすべての予防措置をとるものとする。
 4 1に規定する工作物、施設又は軍事目標を復仇の対象とすることは、禁止する。
 5 紛争当事国は、1に規定する工作物又は施設の近傍に軍事目標を設置することを避けるように努める。もつとも、保護される工作物又は施設を攻撃から守ることのみを目的とする施設は、構築することを許されるものとし、攻撃の対象としてはならない。ただし、その施設が、保護される工作物又は施設に対する攻撃に対応するために必要な防衛行動の場合を除くほか、敵対行為において利用されず、かつ、その施設の武装が保護される工作物又は施設に対する敵対行為を撃退することのみのできる兵器に限られていることを条件とする。
 6 締約国及び紛争当事国は、危険な威力を内蔵する物に一層の保護を与えるために相互の間で新たな取極を締結するよう要請される。
 7 紛争当事国は、この条の規定により保護される物の識別を容易にするため、附属書I 第一六条に明記する同一軸上に置かれた3個の鮮やかなオレンジ色の円から成る特別の標識で、その物を表示することができる。表示のないことは、この条の規定に基づく義務を紛争当事国に免除するものではない。

 【ハーグ陸戦法規】

 ハーグ陸戦条約
 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から
 
 ハーグ陸戦条約とは、1899年にオランダ・ハーグで開かれた第1回万国平和会議において採択された「陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約」並びに同附属書「陸戦ノ法規慣例ニ関スル規則」のこと。1907年第2回万国平和会議で改定され今日に至る。ハーグ陸戦協定、ハーグ陸戦法規、陸戦条規とも言われる。
 交戦者の定義や、宣戦布告、戦闘員・非戦闘員の定義、捕虜・傷病者の扱い、使用してはならない戦術、降服・休戦などが規定されている。現在では各分野においてより細かな別の条約にその役割を譲っているものも多いが、最も根源的な戦時国際法として、基本ルールに則って正々堂々と戦争を行うよう規定している。云わば「戦争のルール」で、日露戦争等のごく限られた戦争ではルールに沿って整然と行われていた。
 しかし、スペイン内戦から第二次世界大戦、ゲリラ戦術や途上国の戦闘などで凄惨な戦争が生じ、その精神は破られてしまった。また朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争他に見られるように、一向に遵守される様子はない。 イスラム教圏のゲリラや民兵組織ではハーグ陸戦条約よりもイスラーム戦争法が優先される場合がある。
 日本においては、1911年11月6日批准、1912年1月13日に陸戰ノ法規慣例ニ關スル條約として公布された。他の国際条約同様、この条約が直接批准国の軍の行動を規制するのではなく、条約批准国が制定した法律に基づいて規制される。

 【傷病兵保護条約】

 衛生兵
 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』から

 衛生兵の国際法上の庇護 [編集]

 1929年にジュネーヴで傷病兵保護条約(ジュネーヴ条約)が結ばれ、衛生兵などは国際法規により保護されることとなった。

 戦地軍隊ニ於ケル傷者及病者ノ状態改善ニ関スル「ジュネーヴ」条約

 現代語では以下のような内容となる。

 衛生上の部隊・施設について(第2章)

 衛生部隊及び衛生機関の施設は交戦者によって尊重保護される。(第6条)
衛生部隊及び衛生機関の施設が害敵行為に使用される時は保護を失う。(第7条)
 以下の事実は衛生部隊及び衛生機関の施設が第6条による保護を失う理由と見なされない。(第8条)
 衛生部隊又は衛生施設の人員が武装し、その武器を自己又は傷病者の防衛の為に使用した場合
 武装した衛生兵がいない場合に歩哨又は衛兵によって衛生部隊又は衛生施設を守衛している場合
 傷病者より取り上げたにもかかわらず所轄機関に引渡されていない携帯武器及び弾薬が衛生部隊又は衛生施設内で発見された場合
 獣医機関の人員及び材料が衛生部隊又は衛生施設の一部分を構成しないでその中にある場合
 衛生兵について(第3章)
 以下に従事する人員は、如何なる場合においても尊重かつ保護しなければならず、敵中に陥った場合といえども捕虜として取り扱われることはない。(第9条)
 傷病者の収容・輸送・治療に専ら従事する人員
 衛生部隊及び衛生施設の事務に専ら従事する人員
 軍隊に随伴する宗教要員
 軍人であっても補助看護人・補助担架兵として傷病者の収容・輸送・治療の為に特別な教育を受け、その証明証を携帯する人員が職務遂行中に捕らえられた場合。
 衛生兵は自己又は傷病者の防衛の為の武器以外は所持してはならない。(第8条)

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