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2010.02.28

各紙報道 一年生の女子に男子制服での通学認める 鹿児島県内の公立中学校

 【共同通信】 中1女子に男子制服認める 鹿児島、性同一性障害で

 心と体の性が一致しない性同一性障害と診断された鹿児島県内の公立中学1年の女子生徒(13)について、学校側が4月から男子制服で通学するのを認めたことが26日、学校と地元教育委員会への取材で分かった。
 名簿上の性別の扱いや、体育の授業をどうするかなどは今後、生徒や両親の希望を聞きながら対応を検討する。
 学校と教委によると、生徒は「セーラー服を着ると頭が痛くなる」と女子の制服を嫌がり、昨年7月に両親が「男子の制服で登校できないか」と相談。学校側は教委と協議した上で「前例がない」「診断が出ていない」として認めなかった。
 このため、生徒は同9月から体操服で通学。今月20日に医療機関で性同一性障害と診断されたのを受け、学校側が男子の制服着用を認めた。
 校長は「生徒と両親が男子の通称名での通学を望むなら、名簿も通称にすることを考えている。生徒が楽しく登校できる状態をつくっていきたい」と話した。

 2010/02/26 20:01   【共同通信】

 【読売新聞】  性同一性障害の女子「受け入れて」願い深く 理解や支援不可欠

 県内の性同一性障害に悩む中学1年の女子生徒(13)が、4月から男子学生服を着用して登校できることになった。女性から男性として学園生活を送ることは、生徒だけでなく、家族にとっても大きな決断だった。
 昨年6月、母親(41)は、娘から「ほかの人と何かが違う。僕は変なのかなあ」と打ち明けられた。さらに「好きな人ができた」と切り出され、口にしたのは、女の子の名前だった。動揺した母親は自分に言い聞かせるように、「大丈夫だよ、大丈夫」と娘に声をかけていた。
 小さい頃から男の子の服装を好み、アニメのヒーローになりきる様子は、明らかに2人の姉とは違っていた。
 「もっとしっかり、娘のことを知りたい」。母はインターネットなどで、性同一性障害のことを調べた。そして、翌7月、ブログを通じて知り合った性同一性障害の人に頼み、娘に会ってもらった。
 「好きな女の子がいるけど、どうやってつきあったらいいの」。娘はせきを切ったように悩みを質問し始めた。相手は女性と交際していると話し、胸の手術跡を見せてくれた。
 「お母さん、僕、初めて同じ人に出会えた」。その時、娘が抱えていた孤独の深さを思い知ったという。
 これまで「セーラー服を着ると、吐き気がする」と訴えていた娘は、これを機に、周囲に自分の悩みを打ち明けるようになった。
 理解されないこともあったが、「悩んでないで相談しろよ」と、好意的に受け止めてくれる友人もいた。「背中の重荷が取れて、なんだか息がしやすくなった」と、笑顔で学校から帰ってくるようになった。
 クラスで一人だけ体操服で登校するようになって約半年。4月からは、晴れて学生服で登校できるようになる。先日、家族で学生服を買いに出かけた際、娘は、ずらりと並ぶ学生服を前に、「これだよ、これ。僕には」とはしゃいだ。
 両親は「娘の判断は間違っていないと思っている。みんなに受け入れてもらって、まっすぐに育ってほしい」と話している。

 【解説】
 性同一性障害(GID)の児童、生徒に学校がどう向き合うのか。多感な時期だけに、学校の理解やサポートが必要不可欠だ。
 岡山大大学院の中塚幹也教授(保健学)らは2006年、過去10年間に同大のジェンダークリニックを受診したGIDに悩む661人を対象に、問題行動の発生率を調査したところ、不登校が24・4%、自殺を考えた人が68・7%、自傷・自殺未遂は20・6%に上った。問題行動は、2次性徴が始まる中学時代に時期が集中していた。
 はりまメンタルクリニック(東京都)の針間克己院長は、「教諭がきちんと理解し、子どもたちに教えることが大切」と話す。性に違和感を感じていた男子生徒に「男らしくしろ」などと教諭が頭ごなしにしかったことが、いじめにつながったケースもあるという。
 誰にも打ち明られず、心と体の不一致に悩む子どもたちがどれぐらいるのかは未知数だ。文部科学省も、まだ対応指針は定めていないのが実情だ。
 生徒の通う学校では養護教諭を中心に、定期的な勉強会を開くなど、支援に向けての活動を始めている。2月中旬、生徒の母は保護者会で、今回の決定を報告し、理解と協力を求めた。すべてが手探りの中だが、女子中学生が学生服での登校を認められたことをきっかけに、GIDを個性として受け入れる社会に向かうことを期待したい。(中西瑛)
             *
  【性同一性障害】 世界保健機関(WHO)で認める医学的疾患で、健全な身体でありながら、持続的な自分の性の違和感と異性への一体感を持つ。国内には1万~3万人いるとされ、原因は不明。通常、男性よりも女性の方が自覚症状が早く、物心ついた頃から自分の性別に違和感を感じる人が多い。
(2010年2月27日  読売新聞)

 【朝日新聞】 性同一性障害の女子中学生、男子制服で通学へ 鹿児島2010年2月26日17時46分
    
 心と体の性が一致しない「性同一性障害」と診断された鹿児島市内の公立中学校1年の女子生徒に対し、中学校側は4月から男子の制服を着て通学することを認めた。
 中学校などの説明によると、この生徒は入学後、「セーラー服を着ると気分が悪くなる」と教諭や両親に訴えていた。2、3歳ごろからままごとやスカートをはくことを嫌がっていたという。
 両親は昨年7月、中学校に「男子制服で登校することはできないか」と相談。同校はスクールカウンセラーや市教委と対応を協議し、「学校教育相談の範疇(はんちゅう)を超えている」などの理由で体操服で通学することを認めたうえで、専門家の判断を待っていた。
 生徒は昨年9月から体操服で通学していたが、今年2月20日に専門医療機関から「性同一性障害」の診断が出た。このため、同校は22日、生徒が4月から男子制服で通学することを認めた。在校生には3月16日の卒業式終了後、説明するという。
 校長は「課題はこれからたくさん出てくるだろうが、生徒には有意義に学校生活を送らせてやりたい」と話した。生徒の母親(41)は「同じように悩んでいる人はたくさんいる。今回は制服一枚で済むこと。相談機関の充実など市はできる対策をとってほしい」と話した。

  【毎日新聞】 性同一性障害:中1女子、4月から男子で通学--鹿児島 

 鹿児島市内の公立中学校が性同一性障害(GID)と診断された1年生の女子生徒(13)に対し、4月から男子として通学することを認めたことが26日、分かった。埼玉県で小2男児(8)が女児としての登校を認められたことに続き、学校現場の判断で本人の意思を尊重した形だが、当事者や保護者からは行政としての対策を求める声が上がっている。
 母親や学校によると、生徒は2歳ごろから体の性が女であることに違和感を覚え、中学入学後はセーラー服を着ると「気分が悪くなる」などと訴え、登校できない日も増えた。両親は昨年7月に学校に相談し、9月から体操服での登校が認められていた。
 さらに今月20日に主治医からGIDの診断書が出たことを受け、学校は新年度から男子制服での通学を認め、学級名簿での性別も変えることなどを決めた。トイレは職員用の女子トイレを、更衣室は他の生徒とは別の部屋を使うことなどを検討している。
 母親は今月24日にクラスの保護者会で事情を説明し、在校生には3月の卒業式以降に校長から話す予定。校長は「前例もなく対応に迷ったが、他県で同じようなケースがあったことから踏み切った。今後の課題にはその都度対応し、解決していきたい」と話す。
 家族によると、生徒は「やっと自分の望む制服を着ることができる。とてもうれしい」と喜んでいるという。母親は「本人はとても苦しんでいたので、学校に感謝している。周囲に理解されず悩んでいる子はもっといると思う。教育委員会や県は専門医療機関と連携して相談窓口を設置してほしい」と訴える。
 学校現場での対応が続いていることについて、文部科学省児童生徒課は「個々の事実関係をよく確認しながら、国としても対応を考えていきたい」としている。【村尾哲、丹野恒一】

 ■ことば

 ◇性同一性障害
 身体的な性別と心理的な性別が一致せず、体に強い違和感を覚えて悩む疾患。国内に少なくとも1万人以上いると推計される。04年、成人の戸籍上の性別変更を認める特例法が施行された。岡山大の調査では、半数以上が小学校入学以前に、約9割は中学生までに体への違和感を覚えていた。

 【時事通信】  「男子」で通学、学校認める=性同一性障害の中1女子-鹿児島

 鹿児島市内の公立中学校が、性同一性障害と診断された1年生の女子生徒(13)に対し、4月から男子生徒の制服で通学することを認めたことが27日、同校への取材で分かった。
 同校校長によると、昨年7月以降、両親からの相談を受け検討。生徒が今月20日、医療機関で性同一性障害の診断を受けたことを踏まえ、同校は男子生徒の制服での登校を認めたという。
 生徒はセーラー服を着ると気分が悪くなると訴えたことから、昨年9月以降は体操服での通学が認められていた。
 学校側は今後、生徒や両親からの要望があれば、名簿上の性別や名前の変更もするとしている。
 校長は「クリアしなければいけない問題もあるが、診断書や本人の気持ち、他県の例を考慮した」と話している。(2010/02/27-13:52)

なお、二月二十八日付「しんぶん赤旗」の記事にはつぎの記述もあります。

 性同一性障害をめぐっては、埼玉県内の小学校が2年生男児に女児としての通学を認めています。

 兵庫県内の小学校では男児を女児として入学させたケースもありました。

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