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2010.07.08

歴史の自習の時間 南北朝正閏論(なんぼくちょうせいじゅんろん)と水中の特別攻撃隊。

 南北朝正閏論とは、日本の南北朝時代において南北のどちらを正統とするかの論争のことです。閏は「正統ではないが偽物ではない」という意味です。
 南北朝時代とは、日本の歴史で、天皇家が南北二つに分裂した時代です。一三三六年(延元元年、建武三年)、足利尊氏による光明天皇の践祚、後醍醐天皇の吉野への転居により天皇王朝が分裂してから、一三九二年(元中九年、明徳三年)に両王朝が合一するまでの時代を指します。室町時代の初期のことです。この時代の天皇王朝には、南朝(大和国吉野行宮)と北朝(山城国平安京)に二つの王朝が存在し、それぞれ正統性を主張しました。
 近世以来、南北朝のいずれが正統かをめぐって南北朝正閏論がおこなわれてきました。
 明治になってから 歴史学界では、南北朝時代にかんして『太平記』の記述を他の史書や日記などの資料と比較する実証的な研究がされ、これにもとづいて一九〇三年(明治三十六年)、および一九〇九年(明治四十二年)の小学校で使用されている国定教科書改訂において南北両朝は並立していたものとして書かれていました。
 ところが、一九一〇年(明治四十三年)の教師用教科書改訂にあたって問題化し始めました。
 一九一一年(明治四十四年)一月十九日付の読売新聞は「南北朝対立問題-国定教科書の失態」と題した社説を掲載しました。
 「もし両朝の対立をしも許さば、国家の既に分裂したること、灼然火を賭るよりも明かに、天下の失態之より大なる莫かるべし。何ぞ文部省側の主張の如く一時の変態として之を看過するを得んや」
 「日本帝国に於て真に人格の判定を為すの標準は知識徳行の優劣より先づ国民的情操、即ち大義名分の明否如何に在り。今日の多く個人主義の日に発達し、ニヒリストさへ輩出する時代に於ては特に緊要重大にして欠くべからず」
 これを機に、南北朝のどちらの皇統が正統であるかを巡り論争が激化しました。
 並立説で三上参次,北朝正統で吉田東伍,南朝正統で黒板勝美らが論戦しました。
 この論争は、帝国議会での政治論争にまで発展しました。
 野党の立憲国民党や大日本国体擁護団体などが第二次桂内閣を糾弾しました。
 このため、政府は野党や世論に押され、一九一一年(明治四十四年)二月四日、帝国議会で南朝を正統とする決議をおこないました。
 さらに、並立説を採用していた教科書『尋常(じんじょう)小学日本歴史』の改定しました。
 そして、この教科書の執筆責任者である文部省の喜田貞吉(きた・さだきち。一八七一年七月十一日~一九三九年七月三日)を休職処分としました。
 最終的には『大日本史』の記述を根拠に、明治天皇の裁断で三種の神器を所有していた南朝が正統であるとされ、南北朝時代は南朝が吉野にあったことにちなんで「吉野朝時代」と呼ばれることとなりました。
 田中義成などの一部の学者は「吉野朝」の表記にたいして抗議しています。
 なお、一九一一年(明治四十四年)十一月三日付で『南北朝正閏論纂(なんぼくちょうせいじゅんろんさん)』が発行されました。著者は、山崎藤吉、堀江秀雄です。発売元は、「皇典講究所 國學院大學 出版圖書販賣所」です。南朝正統説を絶対のものと説いています。
 戦前の皇国史観のもとでは、足利尊氏を天皇に叛いた逆賊・大悪人、楠木正成や新田義貞を忠臣とするイデオロギー的な解釈が主流になります。
 私は、いま、アジア太平洋戦争中の水中の特別攻撃隊のことを調べていますが、楠木正成が特別攻撃の守り神のように扱われていて、ぎくっとします。

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