« 歴史の自習の時間 戊申詔書(ぼしんしょうしょ)とは。 | トップページ | 歴史の自習の時間 ルソーの曲と軍歌「戦闘歌」。 »

2010.07.31

歴史の自習の時間 国民精神作興(さっこう)ニ関スル詔書とは。

 国民精神作興(さっこう)ニ関スル詔書は、関東大震災直後の一九二三年(大正十二年)十一月十日、国民精神の強化振興から出された詔書(しょうしょ=大日本帝国憲法下で、天皇の命令を伝える公文書)です。  一九一八年の米騒動をきっかけとして大衆運動が組織化と高揚の時期を迎え、吉野作造の民本主義や社会主義などの思想と運動が国民の一定の層に拡大する中で、同年九月一日、関東大震災が突発しました。大震災後の混乱のなかでこうした事態に危機感を強めた天皇が出しました。  この詔書は、「国家興隆ノ本ハ国民精神ノ剛健ニ在リ」とし、「浮華放縦(ふかほうしょう=うわべばかりはなやかで、内容のない、勝手気ままに振る舞うさま)ノ習」、「軽佻詭激(けいちょうきげき=よく考えず、軽はずみに度を失って激しい言行がをおこなうこと)ノ風」を排し、「質実剛健(しつじつごうけん=飾りけがなくまじめで、たくましく、しっかりしていること)」、「醇厚(じゅんこう=人情の厚いこと)中正」の精神の確立と「忠孝義勇(ちゅうこうぎゆう=主君への忠義と、親への孝行、そして正義を守ろうという気持ちから発する勇気)ノ美」を国民に要求しました。  国民精神作興(さっこう)ニ関スル詔書  朕惟フニ國家興隆ノ本ハ國民精神ノ剛健ニ在リ之ヲ涵養シ之ヲ振作シテ以テ國本ヲ固クサセルヘカラス是ヲ以テ先帝意ヲ敎育ニ留メサセラレ國體ニ基キ淵源ニ遡リ皇祖皇宗ノ遺訓ヲ掲ケテ其ノ大綱ヲ昭示シタマヒ後又臣民ニ詔シテ忠實勤儉ヲ勸メ信義ノ訓ヲ申ネテ荒怠ノ誡ヲ垂レタマヘリ是レ皆道德ヲ尊重シテ國民精神ヲ涵養振作スル所以ノ洪謨ニ非サルナシ爾來趨向一定シテ效果大ニ著レ以テ國家ノ興隆ヲ致セリ朕即位以來夙夜兢兢トシテ常ニ紹述ヲ思ヒシニ俄ニ災變ニ遭ヒテ憂悚交々至レリ  輓近學術益々開ケ人智日ニ進ム然レトモ浮華放縱ノ習漸ク萌シ輕佻詭激ノ風モ亦生ス今ニ及ヒテ時弊ヲ革メスムハ或ハ前緖ヲ失墜セムコトヲ恐ル況ヤ今次ノ災禍甚大ニシテ文化ノ紹復國力ノ振興ハ皆國民ノ精神ニ待ツヲヤ是レ實ニ上下協戮振作更張ノ時ナリ振作更張ノ道ハ他ナシ先帝ノ聖訓ニ恪遵シテ其ノ實效ヲ擧クルニ在ルノミ宜ク敎育ノ淵源ヲ祟ヒテ智德ノ竝進ヲ努メ綱紀ヲ肅正シ風俗ヲ匡勵シ浮華放縱ヲ斥ケテ質實剛健ニ趨キ輕佻詭激ヲ矯メテ醇厚中正ニ歸シ人倫ヲ明ニシテ親和ヲ致シ公德ヲ守リテ秩序ヲ保チ責任ヲ重シ節制ヲ尚ヒ忠孝義勇ノ美ヲ揚ケ博愛共存ノ誼ヲ篤クシ入リテハ恭儉勤敏業ニ服シ産ヲ治メ出テテハ一己ノ利害ニ偏セスシテ力ヲ公益世務ニ竭シ以テ國家ノ興隆ト民族ノ安榮社會ノ福祉トヲ圖ルヘシ朕ハ臣民ノ協翼ニ賴リテ彌々國本ヲ固クシ以テ大業ヲ恢弘セムコトヲ冀フ爾臣民其レ之ヲ勉メヨ    御名 御璽     摂政名  【参考】 http://www.geocities.co.jp/Berkeley/3776/sakkou.html

|

« 歴史の自習の時間 戊申詔書(ぼしんしょうしょ)とは。 | トップページ | 歴史の自習の時間 ルソーの曲と軍歌「戦闘歌」。 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/30274/49018470

この記事へのトラックバック一覧です: 歴史の自習の時間 国民精神作興(さっこう)ニ関スル詔書とは。:

« 歴史の自習の時間 戊申詔書(ぼしんしょうしょ)とは。 | トップページ | 歴史の自習の時間 ルソーの曲と軍歌「戦闘歌」。 »