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2011.05.17

【歴史、地理の自習の時間】 汽水湖・宍道湖のシジミ漁。

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 汽水湖(海水と淡水とが混じり合っている湖)である島根県の宍道湖(しんじこ)ののシジミ漁について書きます。

 【宍道湖は、こんな湖です】

 宍道湖は、島根県東部に位置し、周辺を松江市、出雲市、斐川町に囲まれた海跡湖です。 湖面積79.1k㎡、周囲長47km、最大水深6.4mです。西部に位置する斐伊川から淡水が注がれ、東部からは日本海より中海、大橋川を通じて海水が遡上しています。そのため、川の魚と海の魚、そして汽水特有の魚が混在する豊穣の湖でもあります。宍道湖の周辺湖岸にはヨシが生育しているほか、アオノリなどの海藻も生育しています。
 写真は、宍道湖の衛星写真です(「ウィキペディア」から)。
 宍道湖の東側に松江市街地が広がっています。画面右端に見えているのは大橋川でつながっている中海の西端です。
 主に西岸の埋め立てのため、1965年当時と比較して面積が10%程度減少しています。

 【湖内の漁獲量の約9割はシジミ漁】

 宍道湖は、魚種も豊富で、スズキ、モロゲエビ(ヨシエビ)、ウナギ、アマサギ(ワカサギ)、シジミ、コイ、シラウオが宍道湖七珍と呼ばれています。
 宍道湖は、湖内の漁獲量の約9割を占めるシジミ漁で有名です。シジミの種類は、ヤマトシジミです。全国のシジミ漁獲量1万9295トン中、約39%の7500トンが宍道湖によります(農林水産省『漁業・養殖業生産統計年報 平成12年度』)。シジミを採る漁師は宍道湖全域に約300人いて、一日の操業時間、休漁日、採捕量を定めた操業規則を守りつつ、宍道湖で漁を営んでいます。シジミ漁はジョレンというカゴ状の漁具を用い、船から、または漁師が直接水につかりながらおこなわれます。
 「日本一シジミが漁獲される宍道湖といえども、シジミが漁獲される場所は限られています。
 まず、宍道湖は汽水湖のために、湖底には淡水よりも比重の高い高塩分水が滞留しています。
 この高塩分水が滞留する場所は堆積した有機物の分解によって酸素が消費され、貧酸素状態となっています。これを貧酸素水塊と呼びます。
 この貧酸素水塊の影響のため、宍道湖の約4m以深ではシジミをはじめ、ほとんどの生物が生息できない状態です。
 このため、湖面積の約30%しかない、水深3~4m以浅がシジミ漁場となります。」(ホームページ「宍道湖漁業協同組合」)
 魚種も豊富で、スズキ、モロゲエビ(ヨシエビ)、ウナギ、アマサギ(ワカサギ)、シジミ、コイ、シラウオが宍道湖七珍と呼ばれています。
 定置網漁業もおこなわれています。ます網、越中網、小袋網、しば手網、おだ網の5種類の定置網漁業が存在します。定置網は宍道湖、大橋川に、9月1日~翌年3月31日の間設置されます。これらの漁業以外にも刺網、延縄、投網などさまざまな漁法が存在します。

 【中止された淡水化事業】

 こうした漁業を脅かしてきたのが農林水産省の宍道湖・中海の淡水化事業です。
 2002年11月29日、島根県の澄田信義知事は記者会見で、凍結中の同事業について「中止が適当である旨を、(12月2日の)議会冒頭で正式表明する」とのべ、事業主体の農林水産省に対し、事業中止を要請する意向を明らかにし、事態は中止に向かいました。。
 これについて当時の「しんぶん赤旗」は、つぎのように解説しています(11月30日付、「宍道湖・中海の淡水化中止 島根県知事が表明 40年の反対運動実る」)。
 「中海干拓・淡水化事業がスタートした一九六三年、日本共産党はいち早く無謀な計画の中止を要求。住民や大学の研究者とともに反対運動に取り組んできました。
 日本有数の汽水域として知られる宍道湖と中海を淡水化し、周辺農家に供給する同事業は、一九六三年四月の事業着手からほぼ四十年を経て、未完のまま終止符が打たれます。
 淡水化は、当時のコメ増産政策を背景に、中海干拓とセットで計画されました。海水をせき止める水門や堤防など関連施設の建設はすべて終えましたが、水質悪化への懸念から八八年以降は凍結されました。
 二〇〇〇年には、公共事業見直しに関する与党方針を受け、淡水化により最大の受益地となるはずだった中海・本庄工区の干拓中止も決まりました。このため、県は淡水化中止を前提に、ため池の設置など代替水源を確保する準備を進めていました。」
 宍道湖漁業協同組合の第7代代表理事組合長の坂本清さんは、同組合のホームページで「宍道湖の淡水化事業という時代の荒波の中、組合員が一丸となって、周辺住民の方々とともに宍道湖の育む豊かな汽水域を守ろうと活動してまいりました。/現在では自然の開発から自然との共生という世の中の流れに変ってきていますが、美しく豊かな宍道湖の環境を守っていくという考えに変わりはありません。今後とも漁協組合員をはじめとして、周辺住民の皆様には御理解とご協力のほどよろしく申しあげます。」と語っています。

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