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2011.06.24

【エッセイ】 韓国と日本の、こぶとりじいさんの話。

  『民話で知る韓国』(ちょん・ひょんひる。日本放送出版協会。二〇〇九年)に「ホップリ・ヨンガム(こぶがつき出たおじいさん)」という二人のほおに大きなこぶがついているおじいさんの話が載っています。日本にも、似た話「鬼に瘤(こぶ)を取られる事」があります。『宇治拾遺物語』(一二一〇年~四〇年代ころにできた本だといわれています)です。二つの物語のストーリーを比べてみました。

 ○ 登場人物

 ホ ほおに大きなこぶがあるおじいさんA、トッケビ(日本でいえば鬼のような者)たち、ほおに大きなこぶがあるおじいさんB。
 宇 右のほおに大きなこぶがあるおじいさんA、鬼たち、となりの家にすむ左のほおにこぶがあるおじいさんB。

 ○ おじいさんAの行ったところ。

 ホ 木をあつめに山に行きました。日が暮れて真っ暗に。雨がざあざあふってきました。一軒家で休みました。
 宇 たききぎをあつめに山へ行きました。風雨がひどくなりました。木の洞穴のあった所にかがんでいました。

 ○ おじいさんAは、そこで何をしたか。

 ホ 歌をつぎからつぎへうたいました。
 宇 まんじりせず、こごんでいました。

 ○ そこに何がやって来たか。

 ホ トッケビたち。
 宇 おじいさんAのいる木のまえに、異形の者たち(鬼)が百人ぐらい集まって来ました。赤い色の身体に青い物を来た者。黒い色の身体に赤いふんどしを締めた者。目一つの者。口のない者。この鬼たちは真ん中に火をたいて、ぐるりと輪になって座り、酒を飲み交わしました。そして、次々に舞いました。

 ○ やって来たものたちとのやりとり。

 ホ トッケビが、おじいさんAに「その歌はどこからでているんだ」と聞きました。Aは、ほおについているこぶをなぜました。トッケビは、こぶを取って金銀のつまった袋をAに渡して家を出ていきました。
 宇 おじいさんAは、烏帽子(えぼし)を鼻までたれかけ、腰に斧(よさ)をさしたかっこうで鬼の目前に飛び出しました。そして、掛け声をかけながら走り回って舞いました。尾にはおもしろがって「こういう遊宴の席にはきっとまいれ」といい、Aにくることを約束させました。そして、その質に、こぶを取りました。

 ○ Aは、どうなったか。

 ホ 金持ちになりました。
 宇 こぶがなくなってよろこびました。

 ○ Aの話を聞いた、おじいさんBのしたこと。

 ホ その家に行って歌をうたいはじめました。
 宇 こぶをとってもらいたくて、同じ木の洞穴に行って鬼たちを待ちました。

 ○ やってきた者たちがおじいさんBにやったこと。

 ホ トッケビは、「こぶから歌なんか出てこない」といって、おじいさんAからちぎりとったこぶをBにつけました。
 宇 鬼の前で、舞いましたがAより下手だったので、鬼たちはAのこぶをBの右のほおにつけました。

 ストーリーが少し違うだけで登場人物(こぶのあるおじいさん二人、異形の者たち)も物語の構成も同じです。
 両地域ともに、ほおに大きなこぶができるという病気に困っていた人がいたということ、何らかの理由で里から追われた異形の者たちが山の中で集団で暮らしていたことを反映していると思います。
 朝鮮と日本と、共通の文化があってこそ生まれた、おなじような話だと思います。

 【参考文献】

 『日本の古典を読む 15 宇治拾遺物語 十訓抄』(校訂・訳者・小林保治、増古和子、浅見和彦。小学館)

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