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2012.01.25

高知県の「高知短期大学の今後の方向性について」の方針についての私の意見

 

「永国寺キャンパスに関する基本方針(案)」(12月9日、永国寺キャンパス整備等検討チーム=高知県文化生活部・高知県立大学・高知工科大学・高知短期大学)の中の「高知短期大学の今後の方向性」について意見をのべます。

【「基本方針(案)」そのものの提示のしかたに異議があります。】

まず、今回の案の提示のしかたに異議があります。
高知短期大学、高知県立大学を運営する高知県公立大学法人は、昨年10月の理事会で高知短期大学廃止の方針を決めています(ここでは、高知県立大学文化学部に「夜間の4年制のコースをつくる」ことは決まっていません)。

11月、南裕子理事長は、高知短期大学の学友会役員、在学生に、この方針を説明し始めました。その内容は、① 2年制の夜間の大学は時代に合わないので廃止する ② その代わりに高知県立大学文化学部に4年制の夜間のコースをつくる、定員はまだ決めていない、というものでした。
  在学生、卒業生のなかには、すぐさま「高知短期大学存続を」と運動を始める者もいましたが、「4年制ができればいいのでは高知短期大学がなくなっても仕方ないのでは……」という思いを持つ者もいました。
 高知新聞の12月8日付朝刊にも、高知県公立大学法人の永国寺キャンパス改革案が実現すれば「本県にはなかった四年制大学の夜間コースができることになる。」という記事がでました。
 これは県民世論の形成にも大きな影響を与えました。
 南理事長の案について、県民的な議論する間をおかず、高知県は、「永国寺キャンパスに関する基本方針(案)」(12月9日。永国寺キャンパス整備等検討チーム=高知県文化生活部・高知県立大学・高知工科大学・高知短期大学)を県議会に出しました。
 この「永国寺キャンパスに関する基本方針(案)」は、夜間の学びの場につい南理事長がいっていた①のみが入っていて、②はありませんでした。つまり夜間の大学教育を一掃する案でした。
 これは、「だまし討ち」的なやりかたです。
 そうしたなかで、高知県は、1月4日、「永国寺キャンパスに関する基本方針(案)」の中の「高知短期大学の今後の方向性」について意見を募集し始めました(2月2日まで)。
 理事長の手法についての批判が強まる中、高知短期大学のホームページに、1月13日に「高知県公立大学法人におけると高知県立大学と高知短期大学のこれからについて」の「理事長メッセージ」、1月25日に高知県公立大学法人の「高知短期大学の将来のあり方に関する高知県公立大学法人の基本方針について」のメッセージが出されました。
 高知短期大学のシステムを使って意見募集に特定の方向から影響を与えたいという意図だと私は感じました。
 「……基本方針について」には、夜間の4年制の学びの場についても書かれています。しかし、実際に県議会や県民に提案されている案には4年制の夜間の学びの場のことは書かれていないのに「実は、こんなことも考えているから高知短期大学廃止案に賛成してください」といわんばかりの文章を提示するのは、いかがなものでしょうか。
もう一回、「だまし討ち」するつもりだなと思いました。

【高知短期大学は、県立に戻して存続・充実してください。】

高知短期大学の「発展的解消」という名の廃止には反対です。同大学の存続・充実をこそ求めます。私と同じ意見の人は多数で、高知短期大学存続を求める人たちは、1月27日に、知事などにあてた存続を求める署名の第一次分を提出したと聞いています(1か月と10数日間に15000人を超える人々がサインしたといいます)。
 私が、高知短期大学の存続・充実を求める理由をのべます。
 高知短期大学は、夜間の2年制の、高校卒業以上の学力があればいくつになっても受験資格のあるユニークで素晴らしい学びやだからです(定員=社会科学科120人、専攻科15人)。
 2011年、独立行政法人大学評価・学位授与機構が、高知短期大学の認証評価を実施をしています。同年3月の、その結果について高知短期大学の関根猪一郎副学長は、つぎのように報告しています(「高知短期大学学友会会報 灯(ひ)」第17号。2011年10月24日)。
 「基本的な評価は、『高知短期大学は短期大学設置基準をはじめ関係法令に適合し、大学評価・学位授与機構が定める短期大学評価基準を満たしている』というものです。また、『主な優れた点』として①長期履研修制度を導入、②社会人入試を重視し、幅広い年齢層の学生の受け入れ、③「ともに学ぶ会」との協調による障害ある者への支援、以上の四点が挙げられました。本学を訪れた認証評価委員のお一人が語った『夜間教育の灯を消さないでください』という言葉が今でも私の胸に響いています。」
 高知短期大学は、設立された1953年以降、県立でしたが、2011年4月に、高知県公立大学法人ができ、これが高知短期大学、高知県立大学を運営することになりました。尾﨑正直知事は、理事長に南裕子さんを任命しました(両大学の学長にもなりました)。
 南さんは、さっそく、高知短期大学の学長として「公立大学法人 夜間開講男女共学 高知短期大学 大学案内 2012」の冊子に「長い歴史のなかで、本学には多様な背景をもつ学生の個別のニーズに対応した教育を行うノウハウを培ってきました。学生による自主的な支援組織『ともに学ぶ会』との協調は外部からも高く評価されています。また、『開かれた大学』『地域に根ざした大学』として、地域の方々と共に『高知学』を育てています。」などと大学の良さを強調し、受験をと呼びかける文章を掲載しました(ぜひ、ご覧ください)。
 文中の「ともに学ぶ会」は、高知短期大学に在学中の、高校生の時のサッカーの試合中に落雷にあい、盲目で車いすの生活になった北村光寿さんらの勉学を支える教員や学生のグループのことです。
 高知短期大学は、南学長のおっしゃるとおりの、素晴らしい大学です。
 これまで何度も一部の県議などによる高知短期大学廃止の動きがあり、そのたびに世論が「存続」を主張し、高知短期大学の存続は県民的に確認されてきました。
 また、2011年7月11日の高知県議会は、知事から提案された高知短期大学の存続を前提とした「高知県公立大学法人中期計画(案)」(2017年3月までの計画)を原案どおりに承認しました。
 この文書の、高知短期大学の部分を抜き出します。
 教育の成果に関する目標、「県内唯一の夜間課程を設置する大学として、社会人をはじめとする多様な学生の教育をつうじて、豊かな人間性及び教養を備えるとともに、社会科学の基本的な力量を身に付けた、地域社会の主体的で創造的な担い手となる人材を育成する。」
 教育の内容等に関する目標、「現実から学ぶことを重視し、教養教育及び社会科学の専門教育の連携を図り、県民ニーズに対応したカリキュラムを編成することによって、短期大学にふさわしい教育の場を確保する。」
 学生の受け入れに関する目標、「高知短期大学の基本理念に基づき、高等学校、自治体、事業者等との連携を強化するとともに、広報活動を積極的に行うことにより、入学者の受入れ方針に沿った社会人をはじめとする多様な学生の確保に努める。」
 研究水準及び研究成果に関する目標、「(ア) 法学及び経済学を中心とする社会科学の分野において現代社会が抱える課題に応える研究を進め、これによって地域社会及び国際社会の発展に寄与する。
 (イ) 研究水準向上を図るための研究活動について、適切な評価を行い、改善につなげる。」
 全体として前向きのものだと思います。
 この方向で高知短期大学を充実していくべきだと思います。
 つけ加えていうならば、私は、高知短期大学は元の県立に戻すことを提案します。
 この間の廃止をめぐる動きを見ても、高知県公立大学法人は理事長の力が極端に強い組織になっています。
 例を、2011年10月24日の高知県公立大学法人の第3回理事会の議事録に見ます(理事会の議長は南裕子理事長)。
 この日は、2011年度補正予算(案)、2012年度予算編成(案)、給与改定、高知短期大学廃止と県立大学文学部改組などの案、5項目の規定制定および改正が「審議」され「議決」されています。ほかに、9項目の報告事項などがありました。高知短期大学の廃止案をふくむ議案についての「議論」の内容については記されていません。
 理事会の開催時間を見てびっくりしました。午後3時45分から55分までの10分間でした。
 このような重要な、かつ多数の案件が、異論もなく10分で通されてしまうところに理事長の強権ぶりが示されています。
 南理事長の高知短期大学廃止案は教授会に押しつけられました。存続すべきだと思っている教員が多かったのに「全員一致で廃止案に賛成した」と発表されています。
 いまのような、理事長が、すごく大きな力を持って大学をひきまわしているような態勢ではなく、高知短期大学を県立に戻し、民主的な、非常勤講師も加えた教授会のもとに学内運営をすべきだと思います。

【「基本方針(案)」の高知短期大学廃止案はなりたたない議論です。】

「永国寺キャンパスに関する基本方針(案)」は、正面から「だから高知短期大学は廃止すべきだ」という論はたてていません。しかし、それらしいことをいろいろのべています。全体の流れは、高知短期大学は「働く者に学ぶ機会を提供することを目的に夜間の短期大学として設立」したが「近年、若年勤労学生は減少、4年制大学等への編入学希望者などの新規高卒者の増大や、退職者層を含む中高年層の入学など、学生の層が変化→夜間であることの必要な学生が減少。4年制大学等への編入学へのステップ、中高年層の生涯学習・再教育など機能が多様化。」している、「近年、学科の入学定員は、平成22年度を除き下回る状況が続くが、毎年100人程度が入学 専攻科は入学定員を大幅に下回る状況が続く」状況になっているという議論です。
 高知短期大学には、学生のなかで正規雇用の労働者が何%いなければならない、4年制大学への編入希望者は何%以下でなくてはならないという規定はありません。
 「高知短期大学学則」の第8条「入学資格」はつぎのように定めています。
 「本学科に入学することができる者は、次の各号のいずれかに該当する者で、本学で定める入学試験に合格した者とする。
 (1)高等学校又は中等教育学校を卒業した者
 (2)通常の課程による12年の学校教育を修了した者(通常の課程以外の課程によりこれに相当する学校教育修了した者を含む。)
 (3)学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第150条第1号から第5号までに掲げる者
 (4)前3号に掲げる者のほか、本学において、個別の入学資格審査により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、18歳に達したもの」
 この学則にもとづいて学生募集がされ、運営されているのです。「永国寺キャンパスに関する基本方針(案)」のいう「近年、若年勤労学生は減少、4年制大学等への編入学希望者などの新規高卒者の増大や、退職者層を含む中高年層の入学など、学生の層が変化→夜間であることの必要な学生が減少」などは何の問題もありません。
 むしろ18歳から70歳代までいろんな年齢の学生がいる、「多様な背景を持った学生」がいることが高知短期大学の魅力なのです。
 「4年制大学等への編入学」うんぬんは、それぞれの学生の自由に属するもので、何の問題にもなりません。
 4年制大学への編入試験の合格者は、2006年度に10人台に乗りました。それ以降の人数を示すと、10人、11人、12人、20人、21人、15人です。2年間の学びで実力がついた結果だと思います。いいことではありませんか。
 入学者の状況は、おっしゃるとおり改善すべきことだと思います。
 120人の定員の社会科学科で見ると、97人、103人、104人と定数割れでした。県が高知短期大学を廃止すると「ことをおこした」ことが影響していると、私は思っています。
 が、2010年度には高知短期大学存続運動の高まり・成功のなか、定員を超える122人が入学しています。2011年度は115人です。
 「高知県公立大学法人中期計画」の「高知短期大学の基本理念に基づき、高等学校、自治体、事業者等との連携を強化するとともに、広報活動を積極的に行うことにより、入学者の受入れ方針に沿った社会人をはじめとする多様な学生の確保に努める。」ということを、県をあげてやることこそが大事です。
 「永国寺キャンパスに関する基本方針(案)」は、高知短期大学を「発展的に解消する」としていますが「発展的」なところは一つもなく、「解消」だけが示されているにすぎません。
 なお、この案にはありませんが南裕子理事長は、高知短期大学廃止の理由として「高知短期大学は赤字だから」といい始めているといいます。
 それなら、その「なぜ、そうなのか」というデータを提出すべきです。また、高知短期大学の運営責任者として赤字をどう解消するのか、赤字を出した責任をどうとるのかも明確にすべきです。
 私も独自に、赤字の額と根拠を探しましたがわかりません。
 ただ一つ、予算の内容の一つである南裕子理事長の給与が県民の給与と比べてものすごく高いということだけはわかりました 以下、「高知県公立大学法人役員報酬規程」にもとづき計算しました。
 給料月額=989000円
 夏のボーナス=2079372.5円
 冬のボーナス=2151075円
 一年間の総額=14162847.5円
 赤字というなら、赤字を出した責任をとって、この給与のかなりの部分を返納することも考えるべきだと、あえて主張します。

【南理事長の発言どおり「夜間の4年制」はつくるべきです。今度の案は白紙撤回して、

 

「夜間の4年制」案も入った新しい案を提出してください。】

「永国寺キャンパスに関する基本方針(案)」は、白紙に戻し、検討しなおして、再提出するべきです。
 理由・その1、南裕子学長が公言してきた「高知県立大学文化学部に4年制の夜間コースをつくります」という項目が入っていないからです。
 高知県立大学文化学部の「拡充」案は、南裕子理事長の言明どおり、「高知県立大学文化学部に4年制の夜間コースをつくる」ことをもりこむべきです。
 その際、定数はこれこれ、入学金、授業料はこれこれ、専任の教員は何人、科目はこれこれ、と具体化した提案にすべきです。
 理由・その2、「検討」では案になりません。「やる」と決めた内容を明記すべきです。
案のなかの「高知県立大学 文化学部拡充案」の項を見ると「土日夜間開講の検討」、「社会人特別入試の検討」、「長期履修制度の検討」と「検討」だらけです。
 本来、案というなら「検討」は不要です。これでは「検討」したけどだめだったという余地を残します。
 また、その内容も具体的ではありません。具体的にすべきです。
 一例をあげます。
 「土日夜間開講の検討」→「昼間にやっている授業と同じものを平日は毎夜2時限(1時限90分)実施し、毎土曜日、日曜日に五時間実施します。」。
 「社会人特別入試の検討」→「社会人入試枠の定員は100人とし、入学金、授業料は一般学生の3分の1とします。」
 「長期履修制度の検討」→「社会人の学生については長期履修制度を導入し、2年制の学生は4年まで、4年制の学生は10年まで4年分の授業料で勉強できるものとします。」
 「検討」はとり、具体的に示すこと。それでこそ、検討に値する案として成立しています。
 「永国寺キャンパスに関する基本方針(案)」のポイントを示した「パブリックコメント 参考資料」に「高知県で初の4年制大学で夜間開講の実現」とありますが、これは、ちょっと誤解を与える表現です。あくまで、それは「検討」でしかありません。
 なお、私は、「4年制の夜間コース」をつくること自体には賛成です(2年制も残すことを前提にして)。
 私の考えでは、いまの高知短期大学に「つぎたし」をして、2年でも4年でも卒業できる夜間の高知県立の大学をつくったらいいと思っています。大学教育を受ける場の極めて少ない高知県です。定員も思いきって多くするなどの措置をとる必要があると思っています。いかがでしょうか。

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コメント

 よく練られた「意見」で、理事長側の「発展的に解消する」など諸々の「言明」の矛盾を多角的にするどく突いた力作だと思います。
 「ご意見」というほどのものではありませんが、通読して字句上のことなどいくつか気づきましたので、Word に写して赤字にしたものをメールに添付して送ります。
 削除、挿入、提案などなどです。

投稿: 浜島 健 | 2012.01.27 22:33

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