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2012.03.08

国民義勇隊から国民義勇戦闘隊へ ⑤ 国民義勇隊とは、どのようなものだったのでょうか

 この国民義勇隊が国民義勇戦闘隊に戦闘部隊に改編されました。
 一九四五年五月二十五日、義勇戦闘隊創設にかんする陸海軍協定が成立しています。
 六月二十二日に「義勇兵役法」(注)、「国民義勇戦闘隊ニ関スル陸軍刑法、海軍刑法、陸軍軍法会議法及海軍軍法会議法ノ適用ニ関スル法律」(注)が公布され、即日施行されました。
 「義勇兵役法」には、十五歳から六十歳までの男子、十七歳から四十歳までの女子が義勇兵役に服し、必要に応じて招集され、国民義勇戦闘隊に編入されることが定められていました。
  東京毎日新聞の「義勇兵役法公布さる」(一九四五年六月二十四日付)は、つぎのように伝えました 。
 「沖縄の戦闘は陸海軍将兵の鬼神をも哭かしめしる勇戦敢闘にも拘らず、趨勢は我に不利にして、敵米軍はいよいよ本土上陸の野望を逞しうしてゐる。政府はこの戦局の重要性並に沖縄本島における戦闘の体験に鑑み国民の戦闘組織を確立して、皇土防衛の万全を期するため去る八十七臨時議会に『義勇兵役法』を提出、協賛を経たが二十二日上諭を仰ぎ同日同法施行令、施行規則並に国民義勇隊統率令を公布即日実施した。」

 (注)「義勇兵役法」。
 「上諭
 朕ハ曠古ノ難局二際会シ忠良ナル臣民等勇奮挺身皇土ヲ防衛シテ国威ヲ発揚セムトスルヲ嘉シ帝国議会ノ協賛ヲ経タル義勇兵役法ヲ裁可シ茲二之ヲ公布セシム

 第一条 大東亜戦争ニ際シ帝国臣民ハ兵役法ノ定ムル所ニ依ルノ外本法ノ定ムル所ニ依リ兵役ニ服ス
 2 本法ニ依ル兵役ハ之ヲ義勇兵役ト称ス
 3 本法ハ兵役法ノ適用ヲ妨グルコトナシ
 第二条 義勇兵役ハ男子ニ在リテハ年齢十五年ニ達スル年ノ一月一日ヨリ年齢六十年ニ達スル年ノ十二月三十一日迄ノ者(勅令ヲ以テ定ムル者ヲ除ク)、女子ニ在リテハ年齢十七年ニ達スル年ノ一月一日ヨリ年齢四十年ニ達スル年ノ十二月三十一日迄ノ者之ニ服ス
 2 前項ニ規定スル服役ノ期間ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ必要ニ応ジ之ヲ変更スルコトヲ得
 第三条 前条ニ掲グル者ヲ除クノ外義勇兵役ニ服スルコトヲ志願スル者ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ義勇兵ニ採用スルコトヲ得
 2 前項ノ規定ニ係ル義勇兵ノ服役ニ関シテハ勅令ノ定ムル所ニ依ル
 第四条 六年ノ懲役又ハ禁錮以上ノ刑ニ処セラレタル者ハ義勇兵役ニ服スルコトヲ得ズ但シ刑ノ執行ヲ終リ又ハ執行ヲ受クルコトナキニ至リタル者ニシテ勅令ヲ以テ定ムルモノハ此ノ限ニ在ラズ
 第五条 義勇兵ハ必要ニ応ジ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ召集シ国民義勇戦闘隊ニ編入ス
 2 本法ニ依ル召集ハ之ヲ義勇召集ト称ス
 第六条 義勇兵役ニ関シ必要ナル調査及届出ニ付テハ命令ノ定ムル所ニ依ル
 第七条 義勇召集ヲ免ルル為逃亡シ若ハ潜匿シ又ハ身体ヲ毀傷シ若ハ疾病ヲ作為シ其ノ他詐偽ノ行為ヲ為シタル者ハ二年以下ノ懲役ニ処ス
 2 故ナク義勇召集ノ期限ニ後レタル者ハ一年以下ノ禁錮ニ処ス
 第八条 前条ノ規定ハ何人ヲ問ハズ帝国外ニ於テ其ノ罪ヲ犯シタル者ニモ亦之ヲ適用ス
 第九条 国家総動員法第四条但書中兵役法トアルハ義勇兵役法ヲ含ムモノトス

  附 則
 本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス」

 (注)「国民義勇戦闘隊ニ関スル陸軍刑法、海軍刑法、陸軍軍法会議法及海軍軍法会議法ノ適用ニ関スル法律」。
 「第一条 国民義勇戦闘隊員ハ其ノ属スル国民義勇戦闘隊ノ所属ノ区分ニ従ヒ陸軍刑法第八条第二号又ハ海軍刑法第八条第二号ニ掲グル者ト看做ス
 第二条 前条ニ規定スル者ニ関シ陸軍刑法及陸軍軍法会議法又ハ海軍刑法及海軍軍法会議法ヲ適用スル場合ニ於ケル特例ハ第三条乃至第十条ノ定ムル所ニ依ル
 第三条 陸軍刑法第十六条第二項又ハ海軍刑法第十二条第二項ノ規定ハ国民義勇戦闘隊員ニ付テハ之ヲ適用セズ
 第四条 国民義勇戦闘隊員ニシテ陸軍刑法ノ司令官又ハ海軍刑法ノ指揮官タルハ国民義勇戦闘隊ノ司令ニ任ジ又ハ之ヲ指揮スルモノニ限ル
 第五条 陸軍刑法ノ罪(同法第二条ニ掲グル罪ヲ除ク)又ハ海軍刑法ノ罪(同法第二条ニ掲グル罪ヲ除ク)ヲ犯シタル国民義勇戦闘隊員ニ対シテハ其ノ刑ヲ減軽スルコトヲ得
 第六条 国民義勇戦闘隊員ニ対シ陸軍刑法第七十五条及第七十六条又ハ海軍刑法第七十三条及第七十四条ノ規定ヲ適用スル場合ニ於テハ此等ノ規定中三日トアルハ六日トシ六日トアルハ十二日トス
 第七条 国民義勇戦闘隊員ニ対スル被告事件ニ付テハ陸軍軍法会議法第四十四条、第四十九条ノ二、第六十三条及第七十条又ハ海軍軍法会議法第四十四条、第五十条、第六十三条及第七十条ノ規定ニ依ルノ外陸軍又ハ海軍ノ常設軍法会議(高等軍法会議及海軍ノ東京軍法会議ヲ除ク)及臨時軍法会議ノ長官ハ当該軍法会議ノ設置セラレタル部隊ノ作戦地域、管轄地域若ハ守備地域又ハ艦隊ノ警備区内ニ在ル高等文官ニシテ判事又ハ検事タルノ資格ヲ有スルモノヲシテ法務官ニ代リ裁判官、予審官又ハ検察官ノ職務ヲ行ハシメ又ハ此等ノ地域内ニ在ル判任文官ヲシテ録事ノ職務ヲ行ハシムルコトヲ得
 2 前項ノ規定ニ依リ裁判官、予審官若ハ検察官又ハ録事ノ職務ヲ行フ者ハ陸軍大臣又ハ海軍大臣ニ於テ所管ノ大臣ト協議シテ之ヲ指定ス
 第八条 国民義勇戦闘隊員ニ対スル被告事件ノ審判ニ付テハ裁判官中判士一人ヲ減ジ法務官一人ヲ増スコトヲ得
 第九条 判士一人及法務官二人ヲ以テ裁判官ト為ス場合ヲ除クノ外国民義勇戦闘隊員ニ対スル被告事件ニ付テハ国民義勇戦闘隊ノ職員中中隊ニ準ズル隊以上ノ隊ノ隊長又ハ副隊長タル者ヲシテ判士ノ中一人ニ代リ裁判官ノ職務ヲ行ハシムルコトヲ得
 2 被告人国民義勇戦闘隊ノ職員タル場合ニ於テハ前項ノ規定ニ依リ裁判官ノ職務ヲ行フ者ハ被告人ヨリ下位ノ職ニ在ル者タルコトヲ得ズ
 3 第一項ノ場合ニ於テハ陸軍ノ兵科将校又ハ海軍ノ将校ヲ以テ上席判士トス
 第十条 前条ニ規定スル隊長ハ其ノ部下ニ属スル者ノ犯罪ニ付陸軍司法警察官又ハ海軍司法警察官ノ職務ヲ行フ

  附 則
 本法ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス」

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