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2013.04.22

【槇村浩研究のために】 雑誌『プロレタリア文学』の反戦詩 注・どんどん書き入れていきます。

【槇村浩研究のために】 雑誌『プロレタリア文学』の反戦詩

 一九三一年九月十八日、満州事変がぼっ発しました。
 大日本帝国の中国侵略戦争がエスカレートし、日本の文学にも大日本帝国の侵略と対峙する作品が求められていました。
 そんななか、一九三二年一月、雑誌『プロレタリア文学』が創刊されました。
 一九二九年二月に結成された日本プロレタリア作家同盟の機関誌です。
 翌年、一九三三年十月号で終刊となりました。
 これらの号に、反戦の詩は発表されたのか、その内容はどうだったのかということで、その各号を読んでいきたいと思います。

 〈一九三二年一月号〉

 森山啓、上野壮夫、伊藤信吉(二編)、伊藤信二、山田清三郎、多田泰夫、木原豹、一田アキが詩を寄せています。「職場の歌」も七編載っています。ここでは反戦詩はみられません。
  この号の「日本プロレタリア作家同盟活動報告」には、前年の同同盟の高知での講演会の記録も載っています。
 講師は、江口渙、貴司山治、池田寿夫で、十二月三十日は高知市の高知座(約五百人)、十二日一日は「高知県下廣町」(約二百人)、二日は「同 山田市」(二百人)。
 同誌には『レーニン研究 一月号 レーニン追悼特別号』の広告も載っています。

 <一九三二年二月号>

  巻頭は「諸情勢とわが同盟緊急の任務」。いまこそ、良質の反戦文学作品をという呼びかけです。
 これは、つぎに資料としてアップしました。

「ninmu_2.pdf」をダウンロード

  詩は四編、「職場の歌」は七編載っています。
 このうち、今野大力の詩「凍土を噛む」は北満に送られた日本軍の負傷兵、「おれ」「おまえ」を「おれたちは××場へ送られたきた/馬/豚/牛だ!/いつ××るかも知らない/おれたちは今××れかけてゐる」とうたっています。伏字が多くて意味がとれない所がありますが、この戦争をやめること、中国、ソブェート・ロシアの「仲間」と共同することを呼びかけているようです。
 「編集後記」では、原稿量の関係で勝本清一郎の「満蒙事変と日本プロレタリア作家」、池田寿夫の「過去の反×文学と今後の方向」などを「割愛」したことがのべられています。
 この号には『レーニン研究 二月号』、『レーニン選集』の広告も載っています。

  <一九三二年三月号>

 詩の欄に五編、「職場の歌」に七編の作品が載っています。
 「職場の歌」に九州の田村武の詩「時計」があります。「入営する」俺の決意を歌ったもので「俺は軍服をつけた俺たちの仲間が/一ヶ連隊もゐる 新しい重要な職場にはいる/俺は銃の手入れをしながら/俺は俺の隣に眠る者に/×は誰であるかを教へなければならない」とうたっています。

 この号には『レーニン研究 三月号』などの広告が載っています。

 <一九三二年四月号>

 これを読んでみると、プロレタリア文学の批評者たちが満足するような、当時の事態に応じた反戦文学は、まだ生まれていなかったようです。

 佐野嶽夫という詩人が「詩に関する断片」という文章を書いています。

 彼は、そのなかの「反戦詩」という項目で「サトーハチロー、北原白秋、西條八十等のブルジョア詩人が好戦的な小唄を次々と発表してゐるのに対して、我々プロレタリア詩人の立ち遅れは厳重に批判する必要がある。」としています。

 この論考で彼が反戦詩と唯一評価しているのが『大衆の友』創刊号に載った槇村浩の「生ける銃架」です。<……「生ける銃架」には部分的な欠点はあるが全体として、相当高く評価されるべき詩だと思ふ。>としています。

なお、佐野嶽夫の詩は、ここに紹介されています。

http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2007/06/0706j1217-00004.htm

 <一九三二年六月発行の臨時増刊>

 これは、別項に掲載。

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