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2013.06.21

【反戦詩】小牧近江(こまきおうみ)の「この位のことは、あたりまえだ」。「ある半嶋」で「某軍国の兵卒」が「一部落」を襲った事件を告発

  小牧近江(こまきおうみ。近江谷駧=おうみやこまき。一八九四年五月十一日~一九七八年十月二十九日)は、一九ニー年ニ月二十三日に「この位のことは、あたりまえだ」を書きました(『種蒔く人』。一九ニー年三月号)。「ある半嶋」で「某軍国の兵卒」が「一部落」を襲った事件を告発したものでした。

 その後一兵卒の気が狂った
 「居ないよ 居ないよ 一人も居ない」
 靴の穴をのぞいて狂人の一兵卒が手を振る
 「居るぞ 居るぞ しーっ 大勢いらあ」
 鍵の穴をのぞいて狂人の一兵卒が合図する
 悪いと知りながら 人を殺した
 一兵卒の気が狂った
 事件のおこりは 最近ある半嶋で
 某軍国の兵卒約三十名が一部落を襲った
 「あまり惨いことはするな」と命ぜられたが
 その時は明かに動物でいた
 無抵抗の村民は面白い程
 見る間にやっつけられた
 殺さるるままにと云ってもいい
 「むごたらしい屍体を曝らしておくとあとが厄介だ 片つけろ」
 と上官が命じた
 「焼いちまう」と一兵卒が発議した
 それから大人 小供 老人 女
 屍体は荷物のように野原に運ぱれた
 石油(アブラ)をかけて焼いて見たが
 手は手 足は足 ぱらばらに散らばった
 そして 人間の臭気が空気と とけなかった

 これが軍国主義で有名な
 某国除隊兵の実見談だ
 「この位のことは あたりまえだ」と
 彼は平気で語った
 当然!
 それは余りに恐しい当然だ

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