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2013.06.28

【反戦詩】 高橋基の「支那兵の死骸に ―北満、昂昂渓より六里の戦線にて―」。

 高橋基は『プロレタリア詩』一九三二年一月号で「支那兵の死骸に ―北満、昂昂渓より六里の戦線にて―」を発表しました。

 どす黒い血(×)が流れているこいつの五体は
 おいらと同じ匂いがする
 こいつの手はゴッゴッだ
 歯をくいしばった面は
 じっと、おいらを見つめている
 こいつは中国の飢えた貧農だろう
 おいらも同じ日本の小作人だ。

 おいらの銃(×)はこいつを打ち倒した
 うらみなんか、ねえ、こいつを―
 なのに殺(×)さにゃならなかったんだ
 おいらは万歳と拍手に送られ
 中国の兄弟を殺(×)しに来たのか!
     
 この戦争(××)は
 兄弟を殺(×)し会うためにあるのか!
 兄弟!
 もうすぐ夜明けだ
 その時、おれたちはきみをふみ越えて前進するだろう
 きみは凍った大地にめり込むだろう
 だが、きみのいかり
 おれたち千万の仲間のいかりは
 奴等のあばらを貫く銃弾(××)となるぞ

 氷点下三十度の蒙古風。
 鉄カブトもけしとベ
 防寒服もぬぎ捨てろ
 ゴツいはだかの腕を握りしめる
 この筒先はおれたちの背後の敵(×)へだ!

 きみ、
 中国の兄弟!
 今、大陸の大地はねむっている
 だが、聞け
 この北満にとどろくおれたちの叫びを。
 おいらは日本の兄弟に呼びかけるぞ
 中国の兄弟に呼びかけるぞ
 殺し合いをやめろ!
 敵(×)は奴等ブルジョア共だ

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