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2013.07.25

連載 四十三 タイムマシンで「生ける銃架」の十九歳に会い行く 反戦詩人・槇村浩の誕生。【高知市内や陸軍歩兵四十四連隊に反戦ビラを配布した若者たち。】

 一九三二年二月二十八日(日曜日)、高知市朝倉の陸軍歩兵第四十四連隊(連隊長・秦雅尚大佐)が兵営を出発し、中国に行きました。
 このことに関連して高知の青年たちは反戦のビラを高知市内や高知市の陸軍歩兵四十四連隊で配布します。
 それは、二月から四月二十日まで、十回以上の行動でした。
 このとき、反戦ビラをつくり配布した若者たちのことを紹介します。
 ○ 浜田勇
 一九一〇年、高知県香美郡三島村(いまの南国市日章)生まれ。野市高等小学校高等科三年を中退しました。労農党高知支部に加入。一九三一年十二月、日本共産青年同盟に加入しました。一九三二年二月五日、池本良三郎、信清悠久(のぶきよゆうきゅう)、吉田豊道、毛利猛夫、山崎小糸(やまさきこいと)と日本共産青年同盟高知地区委員会を確立しました。同同盟高知地区委員長(横山光夫『解放運動のあけぼの 高知県左翼社会運動覚え書』。入交好保『高知県社会運動史』。
 ○ 信清悠久(のぶきよゆうきゅう)
 一九一〇年八月八日、高知市生まれ。一九二八年、高知市の高知県立城東中学校卒業。城東商業学校教員。一九三一年六月、日本プロレタリア作家同盟に加入。一九三二年二月五日、浜田勇さんらと日本共産青年同盟高知地区委員会を確立しました(信清悠久『不肖の子』など)。
 ○ 池本良三郎
 一九一〇年五月二十九日、高知県長岡郡大篠村(いまは、南国市)の素封家の生まれ。一九二五年、高知県立城東中学校(いまの高知県立高知追手前高校)を三年で中退。奈良県で天理教の布教師をしました。その後、病気療養のために高知に帰ります。日本労働組合全国協議会(全協)化学労組の責任者となって、丸一製紙や稲生石灰に細胞をつくっていきました。一九三一年十二月、日本共産青年同盟に加入。一九三二年二月五日、浜田勇さんらと日本共産青年同盟高知地区委員会を確立しました。高知市築屋敷の住み家は、しばしば全協関係者の会合場所になりました。(『高知県人事典 新版』刊行委員会『高知県人事典 新版』。横山光夫『解放運動のあけぼの 高知県左翼社会運動覚え書』)。当時、二十一歳です。
 ○ 吉田豊道
 一九一二年六月一日、高知市廿代町生まれ。一九三一年十二月、弘田競(きそう)、信清悠久、佐野順一郎、毛利猛夫らと日本プロレタリア作家同盟高知市支部を結成。その後、槇村浩(まきむらこう)のペンネームで作家活動をします。一九三二年二月創刊の『大衆の友』で、詩「生ける銃架」を発表し、新人賞をうけます。同月、日本共産青年同盟に加盟します。当時、十九歳です。
 ○ 毛利猛夫(たけお)
 一九一二年十二月十二月十五日、高知県香美郡槇山村(いまは香美市香北町)生まれ。高知市永国寺町の高知工業学校に在学中から『戦旗』の読者会を組織。一九二九年六月、吉田豊道と『戦旗高知支局』中学班を構成。卒業後、日赤に勤務。一九三一年、プロレタリア作家同盟、日本プロレタリア映画同盟に加わります。吉田豊道らとプロレタリア科学を結成します。同年十二月、日本共産青年同盟に加入。一九三二年二月、日本共産青年同盟高知地区委員会の結成に参加します(『高知県人事典 新版』刊行委員会『高知県人事典 新版』)。当時、十九歳です。
 ○ 山崎小糸(やまさきこいと)
 一九一三年二月十五日、高知県長岡郡高須村絶海生まれ。父・山崎巌は高須村長をやったこともあります。一九三一年春、高知市下知の下川じゅうたん工場に就職。夏までに婦人労働組合を結成。更衣室の設置や健康保険加入などを要求してストライキを起こし高知署に一週間拘留され、解雇されます。同年十二月、日本共産青年同盟員になりました。同月、治安維持法事件で検挙され一か月間、高知署に拘留され、起訴猶予になります。一九三二年二月に、日本共産青年同盟地区委員会の結成に参加します。同時に結成された日本労働組合全国協議会高知地方協議会の繊維部門の責任者となりました(『高知県人事典 新版』刊行委員会『高知県人事典 新版』)。十九歳になったばかりです。
 ○ 井上泉
 一九一六年一月十六日、高知県稲生村(いなぶむら)生まれ。日本労働組合全国協議会高知支部に参加。南国市稲生にある「井上泉顕彰之碑」(一九九〇年十一日。井上泉稲生後援会建立)には「……幼少より石灰山の厳しい労働に従事し且[か]つ石灰労働者の指導者として団結と生活向上のため奮闘……」とあります。(横山光夫『解放運動のあけぼの 高知県左翼社会運動覚え書』。 など)。
 ○ 片岡薫
 一九一二年、高知県香美郡野市町生まれ。高知高校生徒(横山光夫『解放運動のあけぼの 高知県左翼社会運動覚え書』など)。
 ○ 堀見俊吉
 一九一五年三月五日、高知県高岡郡佐川町生まれです。当時、高知市の県立城東中学校(いまの県立高知追手前高校)の四年生でした。
 これらのメンバーを見ると、彼等は当時の進歩的文学運動、労働運動、学生運動、科学的社会主義の運動の担い手たちだったことがわかります。

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