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2013.07.23

連載 八 タイムマシンで「生ける銃架」の十九歳に会い行く 反戦詩人・槇村浩の誕生。【詩「生ける銃架 ― 満州駐屯軍兵卒に ―」 第四連】

 白樺(しらかば)と赤楊(はんのき)の重(かさ)なり合(あ)ふ森の茂(しげ)みに銃架(じうが)の影(かげ)はけふも続(つゞ)いて行(ゆ)く
 お前(まへ)の歴史(れきし)は流(りう)×[血]に彩(いろど)られて来(き)た
 かつて亀戸(かめど)の森(もり)に隅田(すみだ)の岸(きし)に、また朝鮮(てうせん)に台湾(たいわん)に満州(まんしう)に
 お前(まへ)は同志(どうし)の咽(のど)を×き胸(むね)を×り
 堆(うづた)い死屍(しかばね)の上(うへ)を×に酔(よ)い痴(つか)れて突(つ)き進(すゝ)んだ
 生(い)ける銃架(じゆうが)。おう家(いへ)を離(はな)れて野(の)に結(むす)ぶ眠(ねむ)りの裡(うち)に、風(かぜ)は故郷(こきやう)のたよりをお前(まえ)に伝(つた)へないのか
 愛(あい)するお前(まへ)の父(ちゝ)、お前(まへ)の母(はゝ)、お前(まへ)の妻(つま)、お前(まへ)の子(こ)、そして多(おほ)くのお前(まへ)の兄妹(きやうだい)たちが、土地(とち)を逐(お)はれ職場(しよくば)を拒(こば)まれ、飢(う)えにやつれ、歯(は)を喰(く)い縛(しば)り、拳(こぶし)を握(にぎ)つて、遠(とほ)く北(きた)の空(そら)に投(な)げる憎(にく)しみの眼(め)は、かすかにもお前(まへ)の夢(ゆめ)に通(かよ)はぬのか
 裂(さ)き捨(す)てられる立禁(たちきん)の札(ふだ)。馘首(かくしゆ)に対(たい)する大衆抗議(たいしうこうぎ)。全市(ぜんし)を揺(ゆる)がすゼネストの叫(さけ)び。雪崩(ゆきなだ)れを打(う)つ反(はん)×のデモ。吹(ふ)きまく弾(だん)×の嵐(あらし)の中(なか)に生命(せいめい)を賭(と)して闘(たゝか)ふお前(まへ)たちおれたちの前衛(ぜんゑい)、あゝ×××××!
 ――それもお前(まへ)の眼(め)には映(うつ)らぬのか!
 生(い)ける銃架(じゆうが)。お前(まへ)が目的(もくてき)を知(し)らず理由(りいう)を問(と)はず
 お前(まへ)と同(おな)じ他(た)の国(くに)の生(い)ける銃架(じゆうが)を射(しや)×[殺]し
 お前(まへ)が死(し)を以(もつ)て衛(まも)らねばならぬ前衛(ぜんゑい)の胸(むね)に、お前(まへ)の銃剣(じうけん)を突(つ)き刺(さ)す時(とき)
 背後(はいご)にひゞく万国資本家(ばんこくしほんか)の哄笑(こうせふ)がお前(まへ)の耳(みゝ)を打(う)たないのか

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